益田正洋(G)モレノ=トローバ作品集
週半ばの水曜日。本日も在宅にて業務に精励。在宅勤務でも始業・終業の時刻厳守。夕方、ひと息ついたところで、久しぶりにこんな盤を取り出した。

日本のクラシックギター界で現在もっとも油ののっている奏者の一人、益田正洋(1978-)の弾くモレーノ=トローバ作品集。2016年秋から2017年春にかけて東大和市ハミングホールで録音されたもの。収録曲は以下の通り。
カスティーリャ組曲:ファンダンギーリョ/アラーダ/アラーダ/ダンサ
ソナチネ
夜想曲
前奏曲
ブルガレーサ
性格的小品集:プレアンブロ/オリベーラス/メロディア/ロス・マジョス/アルバーダ/パノラマ
マドローニョス
小組曲:ラッパの響き/トレモロ/ワルツ/ディヴェルティメント
ラ・マンチャの歌:ヘリゴンサ/もう冬が来る/小唄/羊飼いの娘/ラ・セギディーリャ
スペインの作曲家モレーノ=トローバ(1891-1982)は一般の音楽愛好家には必ずしもポピュラーな存在ではない。スペインの伝統的なサルスエラの作曲家としてわずかに知られる程度かもしれない。一方でぼくらギター弾きにはお馴染みの名前で、スペイン近代の響きを伝える貴重なギターオリジナル作品を残した。この盤ではその代表的な作品がひと通り聴ける。作風はアルベニスやグラナドスと言ったスペイン近代作曲家の系譜につながる。時折モダンな和声も織り込まれるが、多くはスペイン情緒あふれる伝統的なもので、ギターでの演奏効果にもよく合う曲が多い。
この盤では油ののり切った益田氏の闊達な弾きっぷりが楽しめる。思い切りのいいダイナミクスと明るい音色でいずれの曲もフレッシュな響きにあふれる。<影>を感じさせるフレーズでは、もう少し憂いのある表情や音色が欲しい感じもするが、名器ホセ・ロマニリョスから繰り出される前向きで明るい音調による解釈と歌いっぷりは、ギター愛好家に限らず一般の音楽愛好家にも十二分に楽しめるに違いない。
手持ちの盤からアップした。ソナチネ全3楽章。
このアルバム発売当時、狛江の小さなカフェでのミニコンサート。グラナドスのスペイン舞曲等に続き、最後にトローバの「マドローニョス」が演奏される(11分23秒から)。きちんとした録音ではないが、音の加工が皆無なので、かえって益田氏の「素の」弾きぶりがよく分かる。
益田氏のYOUTUBEチャンネルにあった音源。1992年中学3年のときの演奏だそうだ。東京国際ギターコンクールで入賞したときのものと思われる。
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