角松敏生「Sea is a Lady」



相変わらずの梅雨空続く。湿度高く、気温もじわじわ上昇中。およそ爽やかな夏には程遠いが、気分だけでもと思い、こんな盤を取り出した。


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角松敏生のインストルメンタルアルバム「Sea is a Lady」。1987年録音。当時のフュージョン界を代表するプレイヤーが集合し、すでに売れっ子になっていた角松敏生が「歌なし」で当時の思いを表現したというアルバム。売上チャートでも上位に入り、ちょっと大人のオシャレなイントスアルバムとして好セールスを上げたようだ。当時すでにフュージョンブームはピークアウトしていた頃かもしれないが、アイドルポップスに飽き足らない音楽好きにとってインストルメンタルのフュージョンは、カシオペアをはじめまだまだ人気があった。ぼく自身は当時、アイドルポップスにもフュージョンにも縁なく、もっぱらクラシック時々ジャズといった嗜好だったから、角松敏生の名もこのアルバムも知る由もなかった。周回遅れのごとく90年代になってからカシオペアを聴き始め、80年代には傍目で眺めていたポップスやフュージョンの盤もいくつか手に入れた。このアルバムもそんな「遅れてきたマイ・フュージョンブーム」の頃に中古レコード店で手に入れた。

久しぶりに聴く80年代フュージョンポップス。当時リアルタイムで楽しんでいた輩にはもはや懐かしいサウンドだろう。ぼくのように四十近くのオッサンになってから聴き始めた者にもあちこち時代がかったフレーズもある。しかしこの盤のライナーノーツに角松敏生自身が語っているように、「夏と言う非常に限定された特異かつポピュラーな時空間に対して美的世界をメロディーにしてみたい」というコンセプト通りの出来栄えは中々だ。軽快なスポーツクーペに彼女を乗せて、海の見えるハイウェイをドライブするには格好のチューンが続く。もっともこのアルバムが人気を博した当時、地方勤務の地味なエンジニアだったぼくにはそうした光景はまったく縁がなかったし、その後もそして現在もせめて曲を聴いて妄想を楽しむしかないのだが、その妄想さえも次第に縁遠くなりつつある…嗚呼


「Sea Line」


同じ「Sea Line 」の近年のスタジオセッション。角松敏生は2017年にこのアルバムをリメイクし録音しているが、このセッションはそれを受けてもものと思われる。87年のアルバム収録版と比べると、グッとリラックスした雰囲気。サックスに本田雅人。


「The Bass Battle "Chako"」 角松敏生のほとんどのアルバムに参加しているベーシスト青木智仁(2006年49歳で没)と当時カシオペアの櫻井哲夫によるベースバトル。


このアルバム全曲のリンク
https://youtu.be/A59T-qgHqyc



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ジョン・フィールド ピアノ協奏曲第1番変ホ長調



6月最後の週末日曜日。昼過ぎから野暮用こなし、夕方になって時間が出来たので音盤棚をサーチ。こんな盤と目が合ったので久々に取り出した。


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アイルランド生まれの作曲家ジョン・フィールド(1782-1837)のピアノ協奏曲第1番変ホ長調。フンメルとのカップリング。フェリシア・ブルメンタール(1908-1991)のピアノ、フルムート・フロシャワー指揮ウィーン室内管弦楽団。原盤ユニコーン。1972年8月と印刷されている日本コロンビアの盤。これも以前箱買いしたLP数百枚の中に入っていたもの。

ピアノ音楽愛好家以外でジョン・フィールドの音楽に親しんでいる人は少ないだろう。ぼくも夜想曲(ノクターン)という形式を最初に書いた作曲家というトリビア的知識しかない。時代的には初期ロマン派というところだろう。19世紀初頭には欧州各地やロシアを旅して人気を博したようだ。

第1楽章は屈託のない曲想で始まり、ピアニスティックなフレーズにあふれている。終盤短調に転調するあたりは中々聴かせる。併録のフンメル同様、ピアノ・ヴィルティオーソ作曲家の創始と言われるのも理解できる。ただそれ以上の格別な深みは感じられず、世の中から忘れ去られても仕方ないかとも思う。第2楽章はスコットランド民謡風のフレーズで中々美しいなあと思いながらライナーノーツを眺めていたら、実際にスコットランド民謡「首都エジンバラのワン・マイル以内で」という歌に基づいていると書いてあって合点した。第3楽章はバグパイプを模した印象的なフレーズで始まり、快活なロンドとなる。世にあまり知られていないこうした曲を聴くのは、200年前のその時代をダイレクトに思い起こすようでもあり、いわゆる名曲のように手垢にまみれている感じもなく、中々味わい深い。


この曲ピアノ協奏曲第1番の楽譜付き音源。


ジョン・フィールドが創始者といわれるノクターン。その第2番ハ短調。右手旋律と左手伴奏が明確に分かれているので、左手パートをギターに移し、右手のメロディーをチェロか何かでそのまま弾いてもいい感じになりそうだ。



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ケニー・バレル 「Introducing Kenny Burrel」



降ったりやんだりの日々。6月最後の週末金曜日。さて今夜はジャズにしようかと思い、こんな盤を取り出した。


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モダンジャズギターの第一人者ともいうべきケニー・バレル(1931-)のブルーノートにおけるデビュー作をなった「Introducing Kenny Burrel」。1956年の録音。収録曲は以下の通り。

1.This Timethe Dream's on Me
2.Fugue 'n' Blues
3.Takeela
4.Weaver of Dreams
5.Delilah
6.Rhythmorama
7.Blues for Skeeter

この盤が録音された50年代半ばといえば、ジャズにおけるギターの存在も定着。このケニー・バレルを始めとし、バニー・ケッセル、ジム・ホール、さらにはタル・ファーロウ、ウェス・モンゴメリーと続くジャズーギター黄金期ともいうべき幕開けの時代だった。中でもケニー・バレルは、ブルースフィーリングの色濃いプレイで存在感を示した。このアルバムでも彼のオリジナル作である「Fugue 'n' Blues」では、タイトル通りフーガの様式を借りてブルージーなソロを展開している。またこのアルバムでは、モダンジャズには比較的珍しく、リズムセクションにコンガが加わっている。そして「Rhythmorama」は丸々1曲がドラムとコンガの掛け合いで、ギターもピアノも登場しない。叩き物が好きなファンはちょっと得した気分になるだろう。タル・ファーロウのテクニカルでスムースなプレイも好きだが、時にはやはり土の匂いを感じるブルースフィーリングを伴ったケニー・バレルも聴きたくなる。


「This Timethe Dream's on Me」


美しいバラードプレイが聴ける「Weaver of Dreams」


「Fugue 'n' Blues」


アルバム全曲の再生リスト
https://youtu.be/lzBD5ymAP6c



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E・ヨッフム1986年来日公演ブルックナー第7番



先日来、久々のブルックナー詣で思い出し、今夜はこんな盤を取り出した。


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オイゲン・ヨッフム(1902-1987)とアムステルダムコンセルヘボウ(現ロイヤルコンセルトヘボウ)管弦楽団によるブルックナーの第7交響曲。1986年9月昭和女子大学人見記念講堂でのライヴ録音。十数年前に隣り町に当時あったタワーレコードのバーゲンで格安購入した。

ヨッフムは60年代から80年代初頭にかけて独グラモフォン(バイエルン放響)とEMI(シュターツカペレドレスデン)で二度に渡りブルックナーの交響曲全集を残している。前者はLPで持っているがあまり印象の残るものではなかった。後者は何度か機会はあったが買いそびれている。しかしそれらを差し置いて、このライヴ盤は素晴らしくいい。

1986年の来日は1902年生まれのヨッフムが84歳のとき。すでに椅子に腰掛けての指揮であったが、下記のYouTubeでの映像でもわかる通り、まだまだかくしゃくとしている。ドイツ人らしいがっしりとした体格で、大きく手を広げてゆったりと音楽に寄り添うように指揮棒を振り、一方でオケにはかなり細かな表情付けを丁寧に指示している。

第1楽章冒頭の長い第一部。ここだけでもこの曲を聴く価値ありと思う数分間だが、ヨッフムは実に雄大かつ表情豊かに息の長い旋律を歌わせていく。ヴァイオリン群の弱音トレモロによるブルックナー開始の中から繰り出されるチェロの主題。この歌い出しの思い切りがよく、決然としている。以降もゆったりとしたテンポながら妙に深刻・神経質になるところがなく、歌い回しが大らかだ。 第2楽章以降もスタイルとしては完全にロマンティック様式で、テンポはかなり動かし、フレーズはテヌートを効かせてたっぷりと歌う。ヴァントやチェリビダッケにようにガチガチにオケを支配して聴く側も緊張を強いられるようなブルックナー演奏の対極だが、少なくても第7番に関しては、ヨッフムのこの演奏はよくマッチしている。この曲に関しては、マタチッチ&チェコフィルの演奏さえあればいいと思っていたが、このヨッフムのライヴ盤はそれと双璧をなす名演だ。

これほど生気にあふれ、かくしゃくとして巨匠スタイルの指揮棒を振っていたヨッフムであったが、この来日公演のわずか半年後1987年3月ミュンヘン郊外の自宅で亡くなった。


この盤の音源。1986年9月昭和女子大学人見記念講堂。付したコメントは、ヨッフムの指揮ぶりを見ながら、こんなことを心の中でつぶやいているという心中告白(^^;


01:00 ヴァイオリン群のトレモロによる「ブルックナー開始」にのってチェロとヴィオラが主題を奏でる。
01:25 ヴァイオリン系トレモロうるさい。ちょっと抑えてよ。
01:30 OK、いいよ。
01:39 ヴァイオリン、ここから出てきてほしいんだよ
01:43 アクセントしっかり。
01:50 もっと深く強くアクセント!
01:54 弦楽群、みんなもっと歌え!
02:02 ここからフレーズの終わり向かって一旦クールダウンだ。
02:19 3、4拍目、分割でふるぞ。テンポつかんでよ!
02:24 さあ今度は低弦群がトレモロ、ヴァイオリン系メロディだ。コンバスしっかり響かせてよ。
02:32 <ホルン弱いながらもしっかりハーモニーを支える>
02:56 低弦群、ここでトレモロの頭にアクセント。
03:11 ヴァイオリン、今まででもっとも高い音域のピーク。低弦群のザワザワとしトレモロも次第に盛り上がる。
03:28 ヴァイオリン、このフレーズたっぷり粘ってちょうだい。
03:40 静かに静かに。
03:58 ちょっと山を作って、次のフレーズに入るぞ。
04:04 コンバスの1拍目テヌート気味に、切らずに残っていい感じ。
04:04 さあ木管。テンポ・プリモでしっかり歌って。ホルンの刻みもテンポキープして。
04:23 チェロ、バス、聴かせどころだな。ヴァイオリン群の合の手はチェロ・バスをよく聴いて呼応するように。
04:47 ここの転調で木管につながるところは、全員気分チャンジしてよ。
04:55 さあ、弦楽群、歌え歌え!
05:05 コンバス、もっと出てきていいぞ。
05:25 このあたりの経過句でのコントラバスの動きはたまらん!
05:45 コンバスのピチカート、たまらん!ホルンの旋律よりコンバスの音に耳がいく。
05:57 トランペット、アクセントだ。ただしホルンを消さないように。
06:02 低弦群のピチカート、ここで強く!
06:17 第1部最後の山に向かって上り始めるぞ。コンバスのオルガンポイント、しっかり!
06:38 テンポ、少しずつ煽るように上げまっせ!
07:01 さあ、フレーズの終わりに向けて大きくリタルタンド。指揮棒みてテンポつかんでや。
07:06 第2部へ突入


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ハイティンク 壮年期のブルックナー第6



先回の記事に書いたハイティンクとアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団によるマーラー第4交響曲。聴き終えて盤を棚の戻そうとしたその場所の横にこんな盤を見つけて取り出した。


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ブルックナーの第6交響曲。ベルナルト・ハイティンク壮年期の録音。ハイティンク(1929-)は60年代からマーラーやブルックナーを積極的に取り上げて、当時の手兵アムステルダム・コンセルトヘボウ(現ロイヤル・コンセルトヘボウ)管弦楽団と全集録音も残した。後年そのほとんどを再録音することになるが、今夜取り出したのは最初の1973年の録音。

ブルックナーの6番は、4番・5番そして7~9番といった彼の代表作の間にあって少々地味な存在だろう。ぼく自身このレコードを買ったきっかけをはっきりとは記憶していないのだが、他の番号をひと通り聴き、次なる曲として3番やこの6番を選んだのだろう。ジャケット裏のメモに1976年8月と書いてある。大学3年の夏休みに帰省した折、東京の中古レコード店に出向いて手にした記憶がある。

この第6番は全4楽章で1時間余。ブルックナーの曲の中では小規模の部類に入る。第1楽章の付点と3連符が特徴的な主題が流れてきて、ああ、これだこれだと、かつて寝食を忘れてブルックナーを聴き漁った学生時代を思い出した。中では第2楽章が美しい。人気のある第7番に通じる歌謡性に満ちた豊かな歌が楽しめる。第3楽章も始まってすぐにブルックナーのそれと分かるスケルツォ。第4楽章はソナタ形式で第5番や第8番のような圧倒的な構成力はないが、7番に勝るとも劣らない。なおブルックナーで問題となる使用楽譜の版について、ライナーノーツでは原典版とだけ記載されているが、おそらくハース版がベースのものと思われる。
久々に聴くブルックナー。やっぱ、ええなあ~!


この盤の音源。全4楽章。美しい第2楽章アダージョは15分22秒から。


ハイティンクは昨年2019年のルツェルン音楽祭を最後に引退した。90歳。そのときの模様。ブルックナー第7番のフィナーレ。


エッシェンバッハとhr交響楽団(フランクフルト放響)によるライヴ。2016年



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ハイティンク 若き日のマーラー第4



梅雨の真っ盛りながら、時々初夏の気分。昼の熱気が癒え、エアコンのサポートでひんやりとした夜に相応しい曲は何だろうと思い、こんな盤を取り出した。


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ベルナルト・ハイティンク(1929-)指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。1967年録音。昨年引退したものの指揮界の最長老の一人であることに違いのないハイティンクが38歳のときの録音。ジャケット裏には1977年5月の日付けメモがある。大学4年の春だ。この頃は盛んにマーラーやブルックナーを聴いていた。マーラーの交響曲の中で比較的小規模で曲想も馴染み深いにもかかわらず、随分前から4番は聴くことはまれ。どうしても5番や2番、3番、9番当たりに手が延びる。この盤を聴くのは本当に久しぶりだ。

CEC製ターンテーブルにのせ、SPUの針を下ろすと、半世紀前の録音とは思えない澄んだ響きで、冒頭の印象的な鈴の音が流れてきた。蘭フィリップスの録音らしく、軽めの低音と透明感のある響き。編成が小さいわけではないだろうが、音像をやや近めに録って、この曲の持つ室内楽的なイメージがよく出ている録音だ。最初の二つの楽章は終始穏やかなメルヘン調。第3楽章はいかにもマーラーの緩徐楽章らしい息の長いフレーズと美しい歌にあふれるが、他の作品に聴かれる濃い口かつ世紀末的なアダージョ楽章とは異なり、前半の二つの楽章同様、穏やかで屈託がない。初夏のこの時期に相応しい。終楽章では子供の角笛の歌詞が同じオランダ生まれのエリー・アメリンク(1933-)のソプラノで歌われる。

この曲は昔からマーラー入門曲とされてきたが、こうしてあらためて聴き直してみると、どうしてどうして。入門と言わず、長年マーラーを聴いてきた輩も思わず唸るに違いない。釣りの例えではないが、マーラーは4番に始まり4番に終わると言っても過言ではない、納得の名曲だ。


この盤の音源


ハイティンク指揮オランダ放送フィルによる演奏。2014年ハイティンク85歳。



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荘村清志@1974



先週のNHK・Eテレ「ららら♪クラシック」では武満徹が取り上げられた。番組を観た知人から、荘村清志の姿を久々にみたとメールが届いた。荘村清志も古希を過ぎたか…そんなことを思い出し、今夜はこんな盤を取り出した。


@1974
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@2008年
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@1973年夏 当地来演時のサイン
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1970年代、日本のクラシックギター界の明日を背負っていた若手演奏家が三人いた。全員が同じ1947年生まれの渡辺範彦、芳志戸幹雄、荘村清志の三人だ。残念なことにこのうち二人はすで他界している。芳志戸幹雄は嘱望されながら1996年に49歳で、パリ国際コンクールで日本人として初めて優勝した渡辺範彦も2004年春に56歳で亡くなった。そして唯一70年代には一般の音楽ファンにも人気も博した荘村清志だけが今も元気に活躍している。

写真のアルバムは1974年の録音で、荘村清志が人気のピークにあった頃のものだ。十年程前、出張の際にJR長野駅前の書店で開かれていた中古レコード市で見つけて出張カバンに入れてきた。この当時の彼をぼくは三度ほど聴いている。1973年に当地前橋に来演したときは楽屋までいって、楽譜にサインをしてもらった。その楽譜は今もときどき引っ張り出して弾くことがある。

この盤では、ダウランドのリュート曲、バッハのリュート組曲第1番、それとヴィラ=ロボスの前奏曲と練習曲からの抜粋を弾いている。レコードの音を聴いて、当時の彼のステージから聴こえてきた音を思い出した。楽器は確かホセ・ラミレスだった。大きな手でそのラミレスからたっぷりとした音が聴こえてきた。特に低音が特徴的で、ややつぶれたような感じの独特な低音で、高音も含めて美音ではなかったが、ともかくダイナミックだった。特にこの盤でも弾いているヴィラ=ロボスは圧巻で、技巧的なパッセージでも音量が落ちることなく、鮮やかに弾いていた。このバッハなど聴くと流麗とは言い難いし、フレーズも途切れ途切れのところが散見される。21世紀の若手たちはもっと美しく完璧に弾くことだろう。この盤は70年代の、良くも悪くも当時の日本におけるクラシックギターの記録だ。荘村清志も80年代から90年代にやや低迷した時期があったが、近年再び活発に活動している。古希を越える年齢になったが、一層円熟した演奏を聴かせて欲しい。


タレガ<グランホタ> 2000年の演奏とのこと。この映像を見ると、髪型からして70年代当時の面影を感じる。



生い立ちを語る。4分15秒過ぎに出てくるリサイタルのパンフレットは、従兄あたる伊丹十三のデザイン。


福田進一とのデュオ収録風景



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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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