F・モンポウ:コンポステラ組曲
梅雨空広がる週末日曜の昼下がり。ギターを取り出し、2時間ほど練習。最近はもっぱら弾き通せそうな古典期のエチュードばかりをさらっていたが、きょうは久しぶりに「弾けない曲」の確認。こんな楽譜を取り出した

フェデリコ・モンポウ(1893-1987)作曲のコンポステラ組曲。学生時代から好きな曲の一つだったが、まともに取り組んだことがないまま幾年月。少し前に重い腰を上げて譜読みをしようと思ったものの書棚に楽譜が見当たらない。整理の行き届いていない道楽部屋をサーチするも探し当てず、結局あらためて楽譜を注文することにした。GG社のサイトからポチろうとしたところ、以前もっていた版と違うものがあることを知り、自筆ファクシミリ譜もついているというので、ジラルディーノ編(Berben版)を取り寄せた。楽譜が届いて数日したある日、楽器を置いてあるクロゼットの奥に以前からもっていた楽譜(Salabert版)を発見。結局2種類の版が手元に…というお粗末。
コンポステラ組曲は1962年作曲。他の近現代スペインギター曲と同様、アンドレス・セゴビアに献呈された。曲は以下の6つの小曲から構成されている。
1.Preludio/2.Coral/3.Cuna /4.Recitativo/5.Canción/6.Muñeira
曲名が示す通り、スペイン北西部ガルシア地方にあるサンティアゴ・デ・コンポステラの印象を描いたもの。世界遺産にも登録され、古来巡礼地としても有名な同地の情景が目に浮かぶ。淡々とした音形でどこか物憂い表情のPreludio、有名な同地の聖堂の響きを感じさせるCoral、市井の人々の生活をうかがわせるCuna(子守歌)、ノスタルジックに歌うCanciónなど、同じスペインでも南部グラナダなどとは異なる風土をもつといわれるガルシア地方をイメージさせる曲想だ。
モンポウの作風はフランス印象派の影響を色濃く受けるとともに、比較的少ない音数で曲を構成し、音楽を肥大化させないなど、ギター曲にも馴染みやすいように感じる。一方で、古典的な調性感と機能和声のカデンツだけでは簡単に譜読みが出来ないところもある。手元の2種類の版を比較検討するまでもない段階だが、この曲を弾いて楽しもうというには、譜読みに少々時間が必要。残念ながらきょうもまた「弾けない曲の確認」で終わってしまった。嗚呼…!
ステファノ・グロンドーナによる演奏。
第5曲 Cancion
楽譜付き音源
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