E・ヨッフム1986年来日公演ブルックナー第7番



先日来、久々のブルックナー詣で思い出し、今夜はこんな盤を取り出した。


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オイゲン・ヨッフム(1902-1987)とアムステルダムコンセルヘボウ(現ロイヤルコンセルトヘボウ)管弦楽団によるブルックナーの第7交響曲。1986年9月昭和女子大学人見記念講堂でのライヴ録音。十数年前に隣り町に当時あったタワーレコードのバーゲンで格安購入した。

ヨッフムは60年代から80年代初頭にかけて独グラモフォン(バイエルン放響)とEMI(シュターツカペレドレスデン)で二度に渡りブルックナーの交響曲全集を残している。前者はLPで持っているがあまり印象の残るものではなかった。後者は何度か機会はあったが買いそびれている。しかしそれらを差し置いて、このライヴ盤は素晴らしくいい。

1986年の来日は1902年生まれのヨッフムが84歳のとき。すでに椅子に腰掛けての指揮であったが、下記のYouTubeでの映像でもわかる通り、まだまだかくしゃくとしている。ドイツ人らしいがっしりとした体格で、大きく手を広げてゆったりと音楽に寄り添うように指揮棒を振り、一方でオケにはかなり細かな表情付けを丁寧に指示している。

第1楽章冒頭の長い第一部。ここだけでもこの曲を聴く価値ありと思う数分間だが、ヨッフムは実に雄大かつ表情豊かに息の長い旋律を歌わせていく。ヴァイオリン群の弱音トレモロによるブルックナー開始の中から繰り出されるチェロの主題。この歌い出しの思い切りがよく、決然としている。以降もゆったりとしたテンポながら妙に深刻・神経質になるところがなく、歌い回しが大らかだ。 第2楽章以降もスタイルとしては完全にロマンティック様式で、テンポはかなり動かし、フレーズはテヌートを効かせてたっぷりと歌う。ヴァントやチェリビダッケにようにガチガチにオケを支配して聴く側も緊張を強いられるようなブルックナー演奏の対極だが、少なくても第7番に関しては、ヨッフムのこの演奏はよくマッチしている。この曲に関しては、マタチッチ&チェコフィルの演奏さえあればいいと思っていたが、このヨッフムのライヴ盤はそれと双璧をなす名演だ。

これほど生気にあふれ、かくしゃくとして巨匠スタイルの指揮棒を振っていたヨッフムであったが、この来日公演のわずか半年後1987年3月ミュンヘン郊外の自宅で亡くなった。


この盤の音源。1986年9月昭和女子大学人見記念講堂。付したコメントは、ヨッフムの指揮ぶりを見ながら、こんなことを心の中でつぶやいているという心中告白(^^;


01:00 ヴァイオリン群のトレモロによる「ブルックナー開始」にのってチェロとヴィオラが主題を奏でる。
01:25 ヴァイオリン系トレモロうるさい。ちょっと抑えてよ。
01:30 OK、いいよ。
01:39 ヴァイオリン、ここから出てきてほしいんだよ
01:43 アクセントしっかり。
01:50 もっと深く強くアクセント!
01:54 弦楽群、みんなもっと歌え!
02:02 ここからフレーズの終わり向かって一旦クールダウンだ。
02:19 3、4拍目、分割でふるぞ。テンポつかんでよ!
02:24 さあ今度は低弦群がトレモロ、ヴァイオリン系メロディだ。コンバスしっかり響かせてよ。
02:32 <ホルン弱いながらもしっかりハーモニーを支える>
02:56 低弦群、ここでトレモロの頭にアクセント。
03:11 ヴァイオリン、今まででもっとも高い音域のピーク。低弦群のザワザワとしトレモロも次第に盛り上がる。
03:28 ヴァイオリン、このフレーズたっぷり粘ってちょうだい。
03:40 静かに静かに。
03:58 ちょっと山を作って、次のフレーズに入るぞ。
04:04 コンバスの1拍目テヌート気味に、切らずに残っていい感じ。
04:04 さあ木管。テンポ・プリモでしっかり歌って。ホルンの刻みもテンポキープして。
04:23 チェロ、バス、聴かせどころだな。ヴァイオリン群の合の手はチェロ・バスをよく聴いて呼応するように。
04:47 ここの転調で木管につながるところは、全員気分チャンジしてよ。
04:55 さあ、弦楽群、歌え歌え!
05:05 コンバス、もっと出てきていいぞ。
05:25 このあたりの経過句でのコントラバスの動きはたまらん!
05:45 コンバスのピチカート、たまらん!ホルンの旋律よりコンバスの音に耳がいく。
05:57 トランペット、アクセントだ。ただしホルンを消さないように。
06:02 低弦群のピチカート、ここで強く!
06:17 第1部最後の山に向かって上り始めるぞ。コンバスのオルガンポイント、しっかり!
06:38 テンポ、少しずつ煽るように上げまっせ!
07:01 さあ、フレーズの終わりに向けて大きくリタルタンド。指揮棒みてテンポつかんでや。
07:06 第2部へ突入


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