ハウザー フレット交換



2012年に手に入れてからすでに8年が経つハウザーギター(2006年作♯588)。入手時の状態はほとんど新古品ともいえるもので傷は皆無。ネックや全体の状態もよいものだったが、唯一フレットの一部にわずかながら浮きが見られ気になっていた。どうしようかなあ、音に大きな不具合が出ているわけではないけど、気分下がるなあ…と思案。意を決して少し前にメンテナンスを施すことにした。


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本来、楽器のメンテナンスは購入した店に話をすべきものだが、今回は購入店がアウラということもあって、同店専属とでもいうべき田邊さんに直接お願いすることにした。ひと月ほど前に工房へ持ち込み、フレットと弦高について相談をした上で、思い切って全フレットの交換をすることに決めた。 上の作業途中の写真の通り、フレットを抜いたあと、指板のわずかな凹凸を修正。気になっていた通り、指板の中央部分がわずかに凹んでいたようで、写真のように指板の周辺部が削られる状態だったようだ。あまり削り過ぎると指板が薄くなり、また弦高にも影響が出るなど、他の不具合を誘発しかねない。指板表面の状態を整え、フレットを交換し、サドルをわずかに下げ…その辺りを慎重に作業を進めてくれたようだ。「与太さん、メンテ完了しましたよ」との連絡をいただき、さっそく受け取りに行ってきた。


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いつもながら完璧な仕上がり状態。指板やフレットの僅かなウネリは無くなり、サドルの調整で弦高も意図した通りに下がった。調弦をしてひと晩置き、音出し確認。弦高の下げ幅はわずかだったが、手にした印象は思いのほか以前と違っていて、低音・高音ともにテンションが随分と低くなったように感じる。以前はもう少し張り詰めた印象だったが、全体に力が抜け、右手タッチに対して弦が跳ね返してくるような感じがない。あるいは、弦チップを使って、弦とサドルの当たり角をもう少し鋭角にして気分を変えてもいいだろう。 一方、音そのものの印象はあまり変わりはない。相変わらず安心・安定のハウザー。派手さはなく、突出した個性もないが、すべてが好バランスで上質。バロック、古典、ロマン派からスペイン・ラテン物まで、いずれの様式に対しても破綻なく対応可能な感じがする。 今回メンテナンスを施したことで、今後もう手を入れる必要はないだろう。懐深いハウザーギター。これからも座右において楽しんでいこうと思う。


以前の宅録からハウザーを使ったものの再生リスト。カルカッシのエチュード、佐藤弘和氏の小品から。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLjAvYRun0efPwS5vHIR9mQTcJUt9R_sFt


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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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