ムターのベートーヴェン三重協奏曲



先日来、時折り聴いているアンネ・ゾフィー・ムター。今夜もムター若かりし頃のこの盤を取り出した。


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ベートーヴェンのトリプル・コンチェルト。カラヤンが見出したムター、若き日のヨー・ヨー・マ、当時まだ若手だったピアノのマーク・ゼルツァー。オケはもちろんベルリンフィル。1979年録音。50年代から続く伝統的な独グラモフォン録音のアナログ最終期。録音技師にはお馴染みギュンター・ヘルマンスの名前もある。この曲は世評とは裏腹にベートーヴェンの曲の中ではお気に入りのもの。数枚の盤が手元にあって、時折り聴きたくなる。

十代から三十代の若い独奏者による演奏だが、まったくもって立派な演奏。カラヤンの教育的指導が支配しているのだろうが、音楽は成熟し落ち着いた運び。中庸のテンポ、ドイツ音楽らしい深いアインザッツとベルリンフィルの腰の据わった音色、それらの特性を生かした独グラモフォンのピラミッドバランスの録音。三拍子も四拍子も揃ったとはこのことだろうか。反面、独奏者の突出した個性や丁々発止のやり取りといった側面は少ない。それでも第三楽章ロンド・アラ・ポラッカ(この曲はこの楽章が一番面白い)では三人の個性がにわかに感じ取られる。一番落ち着いているのは当時まだ16歳のムターだ。ソロのパッセージをわずかながら引きずるように弾く。オジサンさん達、そんなにノリノリで行っちゃダメよ、と言わんばかりで中々のものだ。一方で三人がトゥッティで同じスケールを弾くところなどはむしろ彼女が煽り気味に一気に音階を駆け上がる。
カラヤン、オイストラフ、リヒテル、ロストロポーヴィッチのかつてのオールスターズの盤はもちろん圧倒的な素晴らしさだが、この盤も他のいくつかの盤と同様、捨てがたい名盤だ。


この盤の音源。第1楽章


同 第3楽章



ムター、ヨーヨーマ、バレンボイムにより、ベートーヴェン生誕250年を期して昨年2019年10月に録音され今年2020年5月にリリースされた盤のひとコマ。ムターにとっては40年ぶりの再録。



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