ハイドン「五度」



月があらたまって令和二年霜月十一月。ようやく秋らしい日が続く。休日の夕暮れ時、部屋の片付けを終え、一服しながらゆっくりと音盤タイム。きょうはこんな盤を取り出した。


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ハイドンの弦楽四重奏曲の中でもポピュラーな副題付き3曲「ひばり」「セレナード」「五度」が収められている、イタリア四重奏団によるフィリップス盤。1965年の録音。手持ちの盤は1979年に同団の演奏が廉価盤でまとまって出たときのもの。思い起こせば社会人になった翌年。モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスと聴き、更にブルックナーだ、マーラーだと生意気盛りだった学生時代を終え、そろそろ室内楽も聴かないと…おそらくそんなことを考えつつ手にした一枚だったに違いない。

B面の作品76-2「五度」ニ短調に針を落とす。序奏なしに題名の由来となった印象的な五度音形の主題が始まる。モーツァルト、ハイドン他、この時代の短調作品の響きはやはり素晴らしい。この曲に関しては冒頭の主題こそ愁いを帯びているが、しばしば明るいメジャーフレーズへの転調もあって、第1楽章通じて決して暗さや悲劇性というイメージは強くない。第2楽章はニ長調のアンダンテ。かなり様々に転調を繰り返すが、総じて穏やかかつ明るいフレーズが続く。第3楽章メヌエットは、ヴァイオリン2本とヴィオラ・チェロが二手に分かれて呼応するようなフレーズが印象的だ。終楽章は簡素な構成ながらきびきびとした短調フレーズが決まり、まことに心地いい。

イタリアカルテットの演奏は、たっぷりとしたボウイングとヴィブラート、大らかに歌うフレージング、それらを生かすテンポ設定…と、あらためて聴いてみるとさすがにひと昔前のスタイルを印象付けるが、緊張を強いられることなく、音楽にゆったり身を任せられるところがいい。ハイドンは弦楽四重奏を70曲以上書いているそうだ。全部くまなくは無理だが、もう少しまとめて聴いてみたいところだ。


この盤の音源。イタリアカルテットによる「五度」


若い団体による第1楽章。 意欲的な表現満載だ。



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