ヘレン・メリル「HELEN MERRILL」
9月、10月の不順な天候から一転、今月は暖かい好天が続いていたが、気付けばもう下旬。今年も残り少なくなる。先週末、夕方都内での仕事を終え東京駅丸の内口へ向かうと、辺りは日も暮れ、都会らしいビルの灯りがきらめいていた。今夜は、その光景で思い出し聴こうと思っていたこの盤を取り出した。

ヘレン・メリル(1929-)の代表作。名前がそのままアルバムタイトルのになっているが、実際にはトランペットのクリフォード・ブラウンの存在も大きく、クリフォード・ブラウンが女性ヴォーカルと共演した他の「…with Clifford Brawn」盤と同じ路線のアルバムだ。あまりに有名な盤なので説明不要だろう。1954年の録音。収録曲は以下の通り。
1. Don't Explain
2. You'd Be So Nice To Come Home To
3. What's New
4. Falling In Love With Love
5. Yesterdays
6. Born To Be Blue
7. 'S Wonderful
今でもヘレン・メリルといえばこの曲、この曲といえばヘレン・メリルという2曲目の「You'd Be So Nice To Come Home To」がお馴染みだろうか。その他コール・ポーター、ガーシュイン、ロジャースなどのスタンダードを録音当時25歳というのが信じられないほどの落ち着き払った歌いぶりで聴かせてくれる。 ヘレン・メリルは60年代から70年代の一時期、日本に在住していた。日本人アーティストとの協演や様々メディアへの露出も多く、ぼくらより少し上のジャズファンにはお馴染みの存在だろう。米国に戻ったあとも度々来日し、近年では2015年、2017年と日本でコンサートを開いた。
このアルバムは全編クインシー・ジョーンズのアレンジがさえ、随所でクリフォード・ブラウンが渋いトランペットソロで都会的な雰囲気を更に盛り上げてくれる。ヘレン・メリルの甘いウィスパー・ヴォイスだけに頼ることなく緻密に作られているところがロングセラーのゆえんかもしれない。
この盤の音源。名刺代わりの「You'd Be So Nice To Come Home To」
1990年来日時61歳のときのライヴ
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