ベルガンサ「7つのスペイン民謡集」



スペイン物連投…。前回の記事で聴いた盤の続き。


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テレサ・ベルガンサ(1933-)がスペイン・ラテン系歌曲を歌った「The Spanish Soul」と題された3枚組。前回に続き、きょうはDISC1のファリャ「7つのスペイン民謡集」を聴くことにした。7つの曲は以下の通り(全3枚のリストは前回の記事参照)。

1. ムーア人の織物
2. ムルシア地方のセギディーリャ
3. アストゥーリアス地方の歌
4. ホタ
5. ナナ(子守歌)
6. カンシオン
7. ポロ

題名通りの歌曲集で、スペイン各地に伝わる民謡や踊りのリズムなどを元に7つの小品に仕立てた曲集だ。極東の彼方からスペインを眺めると、どうも画一的なイメージを持ってしまうが、おそらくスペイン人にとっては、歴史的に諸王国の集まりであった経緯もあって、それぞれの地方でアイデンティティがあり、「一緒にしてくれるな」と言い出すのだろう。数年前、スペイン国内州独立の動きが伝えられたことからもそれは分かる。この7つ民謡集はスペインのほぼ東西南北に渡る地方からモチーフが採られている。陽気な歌あり、内に秘めた情熱あり、歌詞も他愛のない民衆の戯言から成るようだ。オリジナルのピアノ伴奏歌曲以外にチェロやヴァイオリン等によるもの、伴奏をギターに置き換えたものなどが古くから知られていて、スペイン歌曲というジャンルとしてももっともポピュラーな曲の一つだろう。15分で巡るスペイン民謡紀行という趣きの佳曲だ。


ベルガンサによる60年代の録音音源。


ギター伴奏による歌唱。


チェロとギターによる「ナナ」



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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