ポール・ガルブレイス(G)



月があらたまって令和三年如月。まだまだ寒い日が続くが、まもなく節分そして立春だ。コロナ禍であらゆることが変則を余儀なくされているが、せめて気分だけでも暦を感じたいものだ。さて今月最初の音盤。一昨年、三十数年ぶりの再会した中学・高校と同窓だったH君から借り受けたこの盤を取り出した。


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ポール・ガルブレイス(1964-)が自ら考案した「ブラームスギター」で弾いたバッハ作品集。リュート作品として知られるBWV995から998が収められている。2000年録音。旧友H君はこの盤を仕事で米国に数年間滞在していたときに見かけて手に入れたとのこと。

ガルブレイスのHPに詳しいが、このチェロのように構える8弦のブラームスギター(命名の由来についても同HP参照)は80年代終わりから90年代初頭に考案されたそうだ。エンドピンを持ち、更にエンドピンの先には音響ボックスがある。8本の弦は通常の6弦のギターに対して高音側、低音側両方に拡張(±4度)されている。また低音弦側に向かって弦長が長くなっているので、フレットが平行ではない。この楽器のアイデアはおそらく古楽器オルファリオンによっているのではないかと思う。

三次元的にどんな状態なのか、実物に触れてみないとにわかには分からない。それにしてはYOUTUBEで見るガルブレイスの演奏ぶりを見ると、極めて自然に弾いている。この盤で聴くバッハ演奏も楽器に起因する不自然さは感じない。むしろ6弦ギターによるバッハに比べ、弦数が増えることで高音、低音とも左手の動き、特にポジション移動は少なくて済むし、また音響面でも6弦ギターにありがちなハイポジションでのつまりや音程の不安定さから解放されるメリットも感じる。エンドピンを受ける共鳴箱の効果や、拡張された低音弦の効果で全体に音の響きが豊かに聴こえる。一方、右手のタッチは腕や手首の重さを載せることが出来なくなるためか、音一つ一つのエネルギー感はやや希薄になるようだ。横に構える通常にギターで適切なタッチで弾いたときのような浸透力のある音は出にくいように感じる。 ガルブレイスはちょうど一年前に来日し、都内で演奏会を開いた。コロナ禍がまだ本格化する前のタイミングで、ぎりぎり実現したのだろう。いずれまた機会があれば実演に接してみたい。


BWV997からFugaとDoubleをアップした。


アルベニス「セヴィーリャ」


スクリャービンの前奏曲を4曲弾いている。Op.16-4はアレクサンドル・タンスマン「スクリャービンの主題による変奏曲」のテーマになったもの。



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