渡辺歌子 コンサート1987東京



集めるともなしに集まった音盤幾千枚。中にはごくまれにしか聴かないジャンルのものもある。例えばシャンソンなどはそのたぐいだ。イヴ・モンタン、アズナブール、金子由香利らの盤が何枚かあって、時々聴いてみようかと思いながら手に取るまでに至らず終わることが多いのだが、きょうは何故か心定まり、目にとまったこの盤を取り出した。


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シャンソン歌手:渡辺歌子のコンサートライヴ盤。かれこれ二十年程前、当地駅前にあった大手スーパー内の新星堂で見つけて手に入れた。新星堂が設立したオーマガトキというインディーズレーベルから出ていた盤。当時オーマガトキからはワールドミュージックほか興味深い盤が随分リリースされていたことを思い出す。この盤は駅前のその店をブラブラしていて、黒髪をかき上げる女性歌手の姿にクラッときてそのままレジに持っていった。しかしジャケットだけに留まらず、中身も期待に違わぬ素晴らしいライヴ盤だった。収録曲は以下の通り。

1. 恋のロシアン・カフェ 2. すりきれたレコード 3. 息子が戦争に行く時
4. スカーフ 5. 時は過ぎ行く 6. 想い出のマリッツァ
7. 最終のトロリーバス 8. 蟻 9. ジョリ・モーム
10. いつかの二人 11. 水に流して 12. 声のない恋
13. ウィスキーが水に 14. 過ぎ去りし青春の日々 15. 赤いポスター

プレイヤーのプレイボタンを押すとほどなく会場のざわめきが聴こえてくる。そして美しく優しさに満ちた声でMCが始まる。「みなさま、こんにちは。東京はもうすっかり秋の模様替えをすませておりますけれども…」。やや大きめの音量でリアルに聴くと、まるで自分にだけ語りかけてくれているのではないかと、勝手に錯覚したくなる魅力的な声だ。

シャンソンについて何も知らないぼくは曲を一つ一つ説明することは出来ないが、シャンソンの定番曲に加えて彼女自身が詩をつけたオリジナルも交え、ときに耳元でささやき、ときに高らかに歌う。思えばこの盤が収録された1987年からすでに三十年以上経ている。当時彼女はまだ30代半ばだろうか。若やいだ雰囲気の中にも大人の色香を感じさせ、ジャケ買いの中年オジサンのハートをわしづかみだ。黒いドレスの佳人が黒髪をかき上げながら切ない恋の想いなど歌うの聴いていると、ヨッシャ!わしがなんとかしたるでぇ…と鼻息が荒くなってしまう。(…雰囲気ぶち壊しの妄想でスミマセン)


手持ちの盤からアップした。「恋のロシアン・カフェ」


同 「過ぎ去りし青春の日々」



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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