懐かしの茶位ギター



つい先日ギターを一本買った。もう楽器を増やすのはやめようと思っていたのだが、何となくピンとくるものがあったのと、遊びで買える価格だったこともあって、つい…


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手に入れたのは茶位幸信1974年作。表板スプルース。横裏板インディアンローズウッド。指板は黒檀。弦長650㎜。ペグは60~70年代の楽器によくある39㎜ピッチ。塗装は薄塗りのラッカー。当時の定価8万円のモデル。ちょうど私が大学に入学した年のもので、サークルでもこのクラスの茶位ギターを何人も使っていた懐かしいブランドだ。大学1年の年末、サークル内の発表会でタレガのアラビア風奇想曲を弾くことになり、高校時代から使っていた松岡ギターでは冴えないので、同期の仲間から茶位ギター借りて演奏した思い出もある。先日、大阪・茨木六弦堂にこのギターが出ているのを見つけ、そんな懐かしさもあって店主南里さんに連絡し送ってもらった。 1974年当時といえば前年のオイルショック以降のインフレが激しい時期で、物価も給料も年率20パーセント以上上昇していた。当時8万円の定価は大卒初任給より少し高いくらいに相当する。物価水準、使用材料等からみると現在の30万クラスの楽器ということになるだろうか。

茶位幸信氏は元々ヴァイオリン等の弦楽器を製作していたのだが、60年代からのギターブームもあって次第にギター製作へシフト、特に70年から80年代には創業者の茶位幸信氏と何名かの職工とが家内制手工業レベルの小工場でかなりの数を作っていた。完全な個人製作家とは少し業態を異にし、学生にも手の届く価格のスチューデントモデルに位置付けられるものも製作していた。ギターデュオのゴンチチが使っていることでも知られている。製作本数も多いので現在でも中古の出物はしばしば見かける。

送られてきた個体は製作から40数年を経ているにしてはキズ少なく、ネックや指板、ボディーや表板、塗装の状態もおおむね良好で、どうやら前所有者はあまり弾いておらず、かつ保存状態もよかったようだ。肝心の音は実はあまり期待していなかったのだが、予想を裏切る好印象。高音はやや硬質ながら張りのある音で良く鳴り、低音はやや腰高(レゾナンスはG♯~A)ながら音量や伸びも十分。全体のバランスも良好だ。到着した直後は、あらゆる音域での音の均一性という点ではやや難があるかなと感じていたのだが、数日弾いているうちに楽器が永い眠りから目覚めてきたのか、全域でスムースに発音するようになった。音にもう一段品位が欲しい感じだが、その辺がこのクラスの楽器としての限界だろうか。仔細に点検するといくつか手を入れたい箇所もあるが、それにしてもおおよそ不満のない音で、十分いい買い物だったと自己満足している。


手に入れた茶位ギターの音の確認。フェルナンド・ソルの練習曲作品60の4(下の楽譜)。単音のやさしい練習曲ということになっているが、ハ短調の調性感と単音ながら豊かな和声を感じさせる佳曲だ。例によって楽譜を広げてさっと弾いただけなので、肝心なところでミス散見。機会があればあらためて…
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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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