カラヤン&VPO ブラームス交響曲第1番ハ短調
先日来の事のついでと言ってはナンだが、カラヤン&VPOのデッカ録音を聴く。今夜取り出したのはこの盤だ。

カラヤン&ウィーンフィルによるブラームス交響曲第1番ハ短調。1959年録音。手持ちの盤は先日来の盤同様、70年代半ばにキングから出ていた廉価盤。こちらは知人がもう聴かないからと譲ってくれた数十枚のLP盤の中に混じっていた。このカラヤン廉価盤シリーズが最初に出たのは1973年秋の来日に合せたタイミングだったが、折から日本国内は第一次オイルショックの真っ最中。ぼくら世代のおかん達はトイレットペーパー確保に奔走したあの時代だ。物価高騰とインフレも過去にないもので、この時期まで1000円盤と称していた廉価盤も1200円、1300円と値上がり。このカラヤン&VPOのシリーズもジャケット裏に1973年とあるのものは1000円、1977年とあるものは1300円と、時代を反映している。
演奏は先日来聴いている一連のデッカ録音同様、ウィーンフィルの美感がよく出た演奏だ。しかし惑星やウィンナワルツ集と比べると、さすがにドイツ保守本流のブラームス。カラヤンのコントロールが効き、ウィーンフィルも整然として、他の録音でみられた荒削りぶりはやや影をひそめている。テンポはやや遅めで、変化も控え目。全体に無理に大声を立てたり、力づくなところがなく、弦楽器群を中心に美しく歌わせている。特に第2楽章はそうしたスタイルがよくマッチしてことの他美しい。最後のヴァイオリンソロはボスコフスキーが弾いている。
全体として熱っぽさよりは余裕の美音による悠然としたスケール感が印象的な演奏だ。デッカ録音の性格で中高音にややキラキラ感があるのだが、ことブラームスに限っては独グラモフォンの低重心で渋めの音色が似合うかもしれない。
この盤の音源。全4楽章。
この録音と同じ年、カラヤンとウィーンフィルが来日。ブラームスの1番も取り上げた。ミレニアムブームにわいた2000年、NHK教育TVで故・黒田恭一氏がナビゲーターをつとめ「20世紀の名演奏」と称した番組がシリーズで放送され大きな話題となった。カラヤン&VPO来日の演奏もNHKのライブラリーに残されていて、映像とのシンクロ編集を施して放映された。映像はモノクロだが第1番に関しては音は立派なステレオ録音だった。以下はその音源。
同 第4楽章後半の指揮姿
運命のリハーサルに始まり、夫人とのひとこま、ブラームス第1、第4、未完成など。
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