ブルックナー交響曲第4番変ホ長調
昨年に続きコロナ禍で連休気分もどこへやら…淡々と過ぎていく毎日。カレンダー通りにきのうから仕事ボチボチ復帰。帰宅後ひと息ついて、先日来の流れで今夜もブルックナー。取り出したのはこの盤。

ヘルベルト・ブロムシュテットがドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン:SKD)を振ったブルックナー交響曲第4番変ホ長調。手持ちの盤は十数年前に日本コロンビアから出た廉価盤シリーズ:クレスト1000の中の1枚。1981年録音。当時、先陣を切ってデジタル(PCM)録音を推進していた日本コロンビアが東独シャルプラッテンと共同制作したもの。
ブロムシュテット(1927-)は近年も度々来日。高齢にも関わらず健在ぶり発揮しているが、やはりこの時期、80年代の活躍ぶりがぼくら世代には印象的な存在だ。取り分け70年代後半から80年代初頭にかけて、ベートーヴェンやシューベルトの全集を名門ドレスデンと録音したことで、N響を振る姿だけでなく世界的なトップであることを印象付けた。このブルックナーも同時期に録音された第7番と共に、ブロムシュテット壮年期を代表する盤だ。
ブロムシュテット&SKDの演奏についてはすでに多くが語られているように、その美しい響きと楽曲をありのままの提示した組立てにおいて、素朴で純粋なこの曲の持ち味を十全に引き出している。取り分けSKDの弦楽群、木管群のしなやかかつ整った響きが、録音セッションを行ったドレスデン・ルカ教会の自然な残響を伴って限りなく美しい。テンポはほぼインテンポをキープ。各パートのバランスに留意して決して大声を上げず、曲の有り様をそのまま聴き手に届けてくれる。低弦群も控え目ながらしっかりとしていてローエンドののびも秀逸。音響全体の鮮度、解像度も高い。
ブルックナーの交響曲に親しみ始めてから40年以上になるが、最初に接したのは多くの愛好家同様この第4番だった。その後、興味は5番や7番、8番等に移っていったが、今夜久しぶりの聴きながら、やはり名曲だなあと納得。取りわけ第2楽章の美しさに心打たれた。ブルックナー自身この第2楽章について「歌、祈り、セレナーデ」と書いているそうだが、その言葉通りの抑制された響きの中で心静まる音楽が展開する。チェロやヴィオラによって歌われる息の長い主題旋律は穏やかな葬送の音楽のようにも聴こえてくる。
手持ちの盤からアップした。第2楽章。
ブロムシュテット&SKDによる第3楽章。この盤と同時期1981年来日公演。
ホルンにペーター・ダム、ティンパニーにゾンダーマン。
ブロムシュテット92歳の昨年2020年1月ベルリンフィルとのライヴ。第1楽章の一部。
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