ポリーニ ショパン「ポロネーズ集」
週明け月曜日。コロナ禍かいくぐって都内で仕事。行き返りの新幹線車内も相変わらず乗車率高し…だったなあ。帰宅後ひと息ついて、さて今夜はこんな盤を取り出した。

ポリーニの弾くショパンのポロネーズ集。1975年の録音。ポリーニがもっとも輝いていた頃の記録だ。例によって十数年前の出張帰りに大阪梅田の中古レコード店で手に入れた。収録曲は以下の通り。
<A>
1.ポロネーズ第1番嬰ハ短調op.26-1
2.ポロネーズ第2番変ホ短調op.26-2
3.ポロネーズ第3番イ長調op.40-1「軍隊」
4.ポロネーズ第4番ハ短調op.40-2
<B>
5.ポロネーズ第5番嬰ヘ短調op.44
6.ポロネーズ第6番変イ長調op.53「英雄」
7.ポロネーズ第7番変イ長調op.61「幻想ポロネーズ」
鋭利なタッチ、正確無比な打鍵、計算しつくされたダイナミズム、甘さを差し挟まない冷徹な表情。モダンピアニズムの模範のような演奏だ。ショパンというともっとポーランドの土の香りを…とぼくなども思うのだが、これはこれで素晴らしい演奏だ。実演で聴いたら共感や感動以前に圧倒され、少し大げさな言い方かもしれないが、言葉を失うかもしれない。そんな演奏だ。しかし力ずくかというとそんなことはない。ガンガンいきそうな英雄ポロネーズの出だしなどは以外にも優しさを感じさせるほどのコントロールされた弾きぶりでハッとする。
70年代には多くの録音を残したポリーニだが、その後次第に録音が少なくなり、同時に評価も割れるようになった。十年程前にバッハ平均律が出たが、「最近のポリーニはどうかなと思って聴いてみたが…」とある知人は半ば落胆していた。そういう感慨を持たせるほど、70年代のポリーニは輝いていたという証しでもある。
ポロネーズの中で好きな曲の一つ。作品40-2ハ短調。作品40-1の軍隊ポロネーズと対を成し、軍隊ポロネーズの<栄光>対し、こちらは悲劇的な苦悩に支配される。出だし1小節をイントロ当てクイズにどうだろう。この曲かフォーレ<夢のあとに>か迷うところだ。調性もc-mollで一緒だし…
作品61幻想ポロネーズ。ショパン最晩年の傑作。
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