前橋汀子のバッハ無伴奏



五月最後の週末土曜日。好天に恵まれたが、コロナ禍自粛を遵守して在宅。散らかった部屋の片付けに精出しつつ、ながら聴きの一枚にと、この盤を取り出した。


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前橋汀子の弾くバッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全6曲。1988年秋に松本音楽文化ホールでの録音。 例によって篠山紀信撮影のジャケット。

パルティータ第1番をプレイヤーにセットしてスタートボタンを押した。聴き馴染んだ第1曲のアルマンドが始まる。おや? やや遅めのテンポとロマンティックで感情移入の強い演奏かと思っていたが、思いのほかテンポが速い。フレーズごとの切り替えも淀みなく進む。かつての記憶から予想した流れは見事に外れた。

そして同時に特徴的なのはその音色だ。太く、濃いくちの音。力の入ったボウイングが見て取れるような熱のこもった音色だ。淀みなく流れるテンポとこの音色とに対峙していると、まさに圧倒される感がある。音の印象は人さまざまではあるだろうが、少なくても清々とした軽みのある演奏の対極には違いない。ふと師であったシゲティの演奏を思い出した。 録音もすこぶる良好で、直接音と間接音の塩梅が絶妙だ。ヘッドフォンで聴いていると、曲を終えたあと楽器から顎を離すときのごくわずかな音までもクリアに聴き取れる。 そしてまもなく60年になる長いキャリアに思いを馳せながら聴いていると、次第に遠くなる昭和の時代の空気がよみがえってくる。2019年にはこの盤と同じバッハ無伴奏を再録している。三十年を経て、さて、どんな演奏なのでだろう。


パルティータ第1番ニ短調BWV1004から第1曲「アルマンド」


ソナタ第1番ト短調BWV1001から第2曲「フーガ」



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