ドヴォルザーク ピアノ連弾版スラヴ舞曲



梅雨空続く。
うっとうしいと嫌われがちな季節だが、実は雨降りは大好きだ。毎日雨でいいとさえ思うこともある。ネクラじやないつもりだが、きっとイジけた青春時代を送ったためだろう。夏の太陽輝くビーチで、ポニーテールのガールフレンドと楽しく過ごす、なんて光景はついぞなかったからなあ…。あこがれの光景も実現せずにいると、自己防衛的に縁のない世界となって敬遠するようになるのかもしれない。まあ、そんなジジイの述懐はともかく、残されて健康寿命を充実させよう…というわけで(脈略もなく)変わらぬ音盤ルーチン。今夜はこんな盤を取り出した。


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ドヴォルザークのスラヴ舞曲集。スラヴ舞曲といえば管弦楽編が一般的だが、きょう取り出したのはオリジナルのピアノ連弾によるもの。ミシャル・ベロフ(1948-)とジャン=フィリップ・コラール(1950-)のピアノ。1976年録音。十数年前にネットで格安大量箱買いした盤の中にあったもの。

ぼくのような素人音楽愛好家(プラスちょっとだけ楽器弾きます)という者にとって、オーケストラ演奏というのは音楽演奏の象徴あるいは代表的な有り様だ。しかし数の上からいえば、あるいは実際に音楽を演奏する立場の人からみると圧倒的に小編成アンサンブルの演奏機会の方が多いだろう。それは今も昔も同じだ。音楽が市民社会へ広まった19世紀当時の欧州音楽世界では、さまざま曲がまずアンサンブルとして作られ、のちにオーケストラ用に編曲されたり、反対に大編成用に作られた曲がサロンや家庭向けに小編成アレンジされることも多かった。ドヴォルザークのスラグ舞曲もそうしたものの一つとして当初ピアノ連弾用に作られ、のちのドヴォルザーク自身によって管弦楽版が作られた。この辺の事情はこのスラヴ舞曲作曲のきっかけともなったブラームスのハンガリー舞曲集も同じだ。

管弦楽版では音は厚く音色も多彩、ダイナミクスの振幅は大きく、スラヴ的な郷愁も熱情もたっぷりと味わうことができる。一方ピアノ連弾による演奏では、全体の響きよりも和音の成り立ちに、曲全体の構成よりも小さなフレーズにと耳が向かう。スラヴ民族のというよりは、あるひとりのスラヴ人の心情告白を聴くようかのようだ。スラヴ舞曲集と名乗っていながら、フリアントやポルカなどのスラヴ系に加え、ドゥムカ(ウクライナ)、マズルカ(ポーランド)といった他の地域に由来する曲も含まれていて、当時の東欧エリア音楽の総集編といった感さえある。

ベロフとコラールは録音当時、若手の有望株として人気だったと記憶している。若さあふれる弾きぶりで、溌刺とした輝きに満ちている。モダンピアノの機能性と音色により、まるで2台ピアノかと思うようなダイナミクスも感じる。四十年余を経て同じコンビがこの曲を、それもモダンピアノより少し古いタイプの楽器で弾いたら随分と違う演奏をするのだろうか。滋味豊かで、連弾らしく互いに寄り添うような弾きぶりになるのだろうか。

ベロフとコラールによるこの盤の音源。
この曲集中、もっとも有名な曲の一つ。作品72第2番ホ短調


同 作品46第1番ハ長調


作品46全曲の楽譜付き音源



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ビル・エヴァンス「Sunday At The Village Vanguard」



早いもので6月も最終週。例によって季節の移ろいに甚だ疎くなってしまったが、気付けば関東地方もすっかり梅雨空となり、コロナ禍第4波も少々のくすぶりは残るものの、首都圏の端っこの当地ではひとまず減衰局面となった。さて、週明け月曜日。身辺諸々の憂さを横におき、今夜はジャズ。こんな盤を取り出した。


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ビル・エヴァンス(p)、スコット・ラファロ(b)、ポール・モチアン(ds)のトリオによる1961年NYヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ。このときのライヴを収めたもう一枚のアルバム「Waltz for Debby」と共にビル・エヴァンスの代表作といえる名盤。手持ちの盤はかなり前に御茶ノ水のディスクユニオンで買い求めた米盤。収録曲は以下の通り。

1.Gloria's Step
2.My Man's Gone Now
3.Solar
4.Alice in Wonderland
5.All of You
6.Jade Visions

ジャズマニアでもないぼくなどがこの盤について語る資格もその気もないが、久しぶりに針を落とし、第1曲の「Gloria's Step」が静かに流れてくると、思わず大きく吐息をはき「ああ、いい響きだ」と唸ってしまう。ペアとなるもう一枚の「Waltz for Debby」に比べ、甘さ控えめ、通好みと言えるかもしれない。ビル・エヴァンスの繰り出すインスピレーションに満ちたフレーズとコードワーク。それにまったく引けを取らず、ときに雄弁に存在感を示すスコット・ラファロのベースがまた素晴らしい。テーブル席のグラスが擦れ合うかすかな音と行き交う小声の会話が演奏の臨場感を高める。いかにもライヴならではのしつらえ。甘ったるいカクテルピアノとは次元の違う感興を味わえる名盤だ。


この盤の音源。全6曲



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雨降り@ドーナッツ盤



以前この時期の恒例にしていた記事を思い出し、久しぶりに…
梅雨真っ只中。うっとうしいと言っても仕方ないので雨を楽しもうと、音盤棚に300枚ほどあるドーナッツ盤エリアから雨にまつわる盤を取り出した。いずれも流行った当時に買ったものではなく、いい加減オッサンになってからリサイクル店のジャンクコーナーで救済してきたもの。


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雨・星・月・夜・酒・涙…かつて歌謡曲の王道をいく歌詞に付き物のキーワード。中でも雨は定番だ。歌詞も職業作詞家による七五調の、いかにもというものが多かったが、それこそが歌謡曲の様式美。妙な語り言葉や16分音符で歌詞を詰め込むような昨今の譜割りには感心しない。何事も進化だ差別化だと、ビジネスライクな言葉で目先の変化が持てはやされるが、進化するのはポケモンだけで十分だろう。時流に流されない不変の様式感≒マンネリズム万歳!


「水色の雨」八神純子のハイトーンが部屋に満ちますね。


「雨の慕情」
♪心が忘れたあのひとも 膝が重さを覚えてる
長い月日が膝まくら 煙草プカリとふかしてた
憎い恋しい 憎い恋しい めぐりめぐって今は恋しい
一人で覚えた手料理を なぜか味見がさせたくて
すきまだらけのテーブルを 皿でうずめている私
きらい逢いたいきらい逢いたい 曇り空ならいつも逢いたい♪
…阿久悠の天才的な歌詞。



「悲しき雨音」
今やオールディーズの定番。懐かしい。あっ、昭和歌謡ではありませんね。
♪Listen to the rhythm of the falling rain,
Telling me just what a fool I've been.
I wish that it would go and let me cry in vain,
And let me be alone again.♪
♪降りしきる雨音のリズムを聞くと
お前は何てバカなんだって言っているみたいだ
雨なんて消え去ってむなしく泣かせてくれればいいのに
もう一度ひとりにしてほしいのに♪
…ケッコー泣かせる歌詞。


「雨音はショパンの調べ」…ほとんど記憶にございません(^^;



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ベームの「The Great」



先日来のメンデルスゾーン祭り…その流れで、少なからず縁のあるこの盤を取り出した。


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カール・ベーム(1894-1981)がベルリンフィルを振ったシューベルトの交響曲「ザ・グレイト」(番号の付し方で諸説あって混乱するので、ここではザ・グレイトとしておく)。この曲は完成後、長らく陽の目を見ることがなく、シューベルトが亡くなってあと10年以上経ってから、メンデルスゾーンの手によって復活したということになっている。
手持ちの盤は60年半ばの国内初出盤。録音は1963年@ベルリン・イエスキリスト教会。例によって録音はカラヤンの耳と言われたギュンター・ヘルマンスが担当している。60年代のベルリンフィルはもちろんカラヤンの時代になっていたわけだが、その前後に残されているカラヤン以外の指揮者との録音には名演が多い。ベーム、フリッチャイ、クリュイタンス、マゼール、クーベリック、ケンペ…。多分この時期のベルリンフィルは誰のものとでも最高のパフォーマンスを発揮し、しかも戦前からの伝統的な色合いを残した演奏が可能だったのだろう。レコード会社もそういうベルリンフィルを使って録る盤には、それに相応しい指揮者を選んだに違いない。


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さてベームのシューベルト。久々に針を降ろしたのだが、期待に違わぬ名演だ。60年代ベルリンフィルの素晴らしさが堪能できる。弦パートを中心にした完璧なバランス、よくまとまったアンサンブル、指揮者の意図を明確に把握し具現化する合奏能力、いずれもこの時代にあっては抜きん出ていたに違いない。ベームというと晩年のウィーンフィルとの演奏がより強くインプットされているぼくら世代には、60年代のベルリンフィル(写真)との演奏は実に新鮮だ。テンポは総じて速く、音楽の作りは少々荒削りかとで思わせるほどだ。カラヤンのようにフレーズを磨き上げ、レガートにつなぐといった手法の正反対。実はこの盤を取り出したとき、のんびりしたテンポの退屈な1時間が待っているのかと予想していたが、ものの見事に予想は外れ、A面・B面一気呵成に聴いてしまった。

第1楽章は冒頭こそじっくりとしたテンポながら、主部に入るとグイグイと加速して飽かずに聴かせる。結尾部で冒頭の主題がグッとテンポを落として戻ってくるところなどは抜群の効果をあげている。第2楽章も指定のアンダンテより速めの設定。弦も木管もフレーズの入りが明確で、ややアクセントを付けて入ってくるのが特徴的だ。終楽章も冒頭からドライブ感満点で、ベルリンフィルの高い合奏能力が発揮され、いささかもゆるんだところがない。ベームは60年代がベストという人が多いが100%賛同したい。


この盤の音源。全4楽章。


同曲第2楽章のリハーサルの映像があったので貼っておこう。オケはウィーン交響楽団とある。途中1分27秒から本番演奏に切り替る。1分57秒、2分5秒のフォルテ指示でみせるしぐさは晩年と同じ動きで懐かしい。エア・コンダクターでベームのまねをする際はこのアクションが必須だ。


1976年ザルツブルク音楽祭でのベームとウィーンフィルによるライヴ。この演奏は当時NHKFMをカセットテープでエアチェックし繰り返し聴いた記憶がある。投稿者のコメントによれば、この音源は当時オープンデッキでエアチェックしたものをデジタル化したのとのことだが、良好な音質が保たれている。Bravo!



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メンデルスゾーン交響曲第5番「宗教改革」



先日来聴いているメンデルスゾーンの交響曲。ことのついでに今夜はこの盤を取り出した。


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メンデルスゾーン交響曲第5番「宗教改革」。マズア&ライピツィッヒゲヴァントハウス管弦楽団による1972年録音。手持ちの盤は1979年に出た廉価盤で、第4番「イタリア」とカップリングされている。すでに40年を経過しているが、未だ包装のビニールを被ったまま。盤質も良好で、やや硬質ながらノイズ少なく立派な録音。当時の東独オイロディスクの実力がうかがい知れる。なお、このコンビは80年代後半のこの曲を再録している。

この曲にはちょっとした想い出がある。学生時代を過ごした町には当時、いわゆる名曲喫茶が三軒あった。まだ入学して間もない頃、そのうちのひとつに入ったときのこと。何とも重厚な管弦楽曲が流れていて、へぇ、いい曲だなあとしばし傾聴。当時まだ音楽もろくろく知らなかった時期だったが、てっきりベートーヴェンの序曲か何かかと思って店主に聞くとメンデルスゾーンの「宗教改革」だという。それがきっかけで、ぼくにとってはヴァイオリン協奏曲に次いで入ってきたメンデルスゾーンの曲が「イタリア」でも「スコットランド」でもなく、この「宗教改革」となった。

第1楽章は序奏こそ穏やかに始まるが、主部はメンデルスゾーンとは思えない重厚さと悲愴感を漂わせ、いま聴いてもベートーヴェンの序曲?といいたくなる。序奏の最後に出てくるドレスデン・アーメンの音形や第4楽章のルーテル派のコラールを聴くと、今でもかつて名曲喫茶で聴いたときの記憶がよみがえる。展開部はさずがに少々弱く、ベートーヴェンでないことが歴然とする。もっともこの曲を書いたときのメンデルスゾーンは二十歳になるかならないかの時期だから無理もない(番号は第5番だが作曲時代順では5番、4番、3番と逆になる。現在の番号は楽譜の出版順)。第2楽章のスケルツォは優美なトリオを持つ快活な楽章で、彼ののちの交響曲を思わせる。第3楽章でニ短調に戻り抒情的なメロディーが歌われたあと、アタッカで終楽章に入る。第4楽章にはコントラファゴットと、今はほとんど現物にお目にかかれず他の楽器で代役されるサーペント(セルパン;写真)が入る。最後は明るいニ長調に転じて壮麗な展開となり、例のコラールで幕を閉じる。


この盤の音源。全4楽章。


BBCスコティッシュ交響楽団による昨年10月の無観客ライヴ。


指揮者藤岡幸夫他による解説と演奏。藤岡氏は今週末、当地群馬交響楽団に来演しショスタコーヴィチプログラムを指揮予定。



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クレンペラーの「イタリア」



先日聴いたメンデルスゾーンの「スコッチ」で久々に我がメンデルスゾーン愛に火が付いた…というと大げさだが、「スコッチ」とくれば次はこれだろうと、この盤を取り出した。


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初夏から夏にかけてのこの時期、必ず聴きたくなる曲の筆頭、メンデルスゾーン交響曲第4番イ長調「イタリア」。オットー・クレンペラー()指揮フィルハーモニア管弦楽団による1960年のセッション録音。手持ちの盤は同交響曲「スコットランド」とのカップリングで1995年にリリースされた盤で、当時東芝EMIが進めていたHS2088マスタリングによるもの。このHS2088マスタリングはあまり評判がよくなく、その後ほどなく本国仕様ともいうべきART(Abbey_Road_Technology)マスタリングに取って代わられた。

第1楽章冒頭から落ち着いた開始。といっても鈍重なテンポというわけでもなく、多くのこの曲の録音の中にあっては中庸だろうか。ぼくが最初にこの「イタリア」に接したクルト・マズア&ライプツィッヒゲヴァントハウス管による演奏よりずっと軽快な開始だ。各パートの響きはセル盤ほど明晰に分離しないが、それでもカラヤン&BPOよりはずっとクリア。弦楽群の対向配置により、第2ヴァイオリンが右から、チェロ・コンバスがやや左側の手間から奥に定位する。特に第2ヴァイオリンの動きがよく分かり、こんな掛け合いをやっていたのかと、随所で気付かされる。ぼくがこの曲の中で好きな第3楽章でも、やや抑え気味の弦楽群の表情付け、木管群やホルンの秀逸な響きなど、簡素ながら優美で美しいこの楽章を堪能できる。

ロンドンの腕利きプレイヤーを集めて結成されたフィルハーモニア管のアンサンブルは中々のものだ。1960年当時としては十分高レベルの録音と相まって、各パートの分離とマスの響きがほどよく調和し、全体的な音響バランスとしては申し分ない。この曲の身上ともいえるフレッシュな溌剌さというイメージという側面ではセル&クリーヴランド盤に譲るが、このクレンペラー盤は、交響曲としての構成感という意味においてドイツの伝統を強く感じさせる重みと深さを備え、ややモノトーンな響きながら、ニュアンスに富んだ素晴らしい音楽的感興を与えてくれる。


この盤の音源。全楽章。


アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮hr交響楽団(旧フランクフルト放送交響楽団)による小編成での演奏。2020年12月コロナ禍最中での無観客ライヴ。



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アバドvs.マーク 「スコットランド」



今週梅雨入りした関東地方。通勤の車窓から曇り空の関東平野を眺めていると、趣きは違うだろうが、ふとスコットランドの荒野を思い浮かべ(行ったこともないのに…)、こんな盤を取り出した。


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メンデルスゾーンの交響曲第3番イ短調「スコットランド」。手元にあるいくつかの盤の中、写真の2枚を続けて聴いた。1枚はペーター・マーク(1919-2001)指揮ロンドン交響楽団の盤、もう1枚はクラウディオ・アバド(1933-2014)指揮の同じくロンドン響の盤(アバドのこの曲の録音のうち最初のもの)。共にこの曲の名盤案内には確実に登場する演奏だ。

この二つの録音には、録音時期に10年ちょっとの開きがあるが、共にオケがロンドン響であること、録音も英デッカであることなど共通点がある。マーク盤はデッカのくっきりとした録音にたっぷりとした表情をのせた演奏で、第1楽章の序奏など切々と胸に迫ってくる。この曲はこの序奏だけでも聴く価値があるというのが持論だ。序奏の中間部、トランペットが出てティンパニが加わり、コントラバスが上昇音階を奏する辺りは、聴くたびにゾクゾクとしてくる。一方のアバド盤は同じロンドン響を振りながら、より整った印象を受ける。弦のメロディーはビブラートが控えめでピッチがぴたりと合い、すっきりかつしなやかな印象だ。チェロ・コントラバスの扱いも抑制を効かせている。

ぼくはアバドの熱心なファンでもなく手持ちの音源も少ない。カラヤンのあとを受けて10年ほど在籍したベルリンフィル時代の演奏も、あまり評判がよろしくない。がしかし、この曲は彼の資質がプラスに働き、しなやかでよい演奏だ。一方マークはこの盤以外、オケや録音にあまり恵まれず、2001年に世を去った。晩年にはパドバ・ベネト管弦楽団を振って得意とするモーツァルトの後期交響曲の録音を残した。そのCDが手元にあるが、あまり印象に残っていない。


この盤の音源。全4楽章。ペーター・マーク&ロンドン響。第1楽章序奏から主部に入るあたりまで。遅めのテンポ。1分50秒辺りからの滔々たる進行。2分20秒でのトランペットの強奏。2分26秒過ぎからの低音の上昇音階…。何度聴いても名曲名演だ。


同 アバド&ロンドン響



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マエストロ・与太

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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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