S・クイケンのバッハ無伴奏
先日来、前橋汀子、シゲティと聴いてきたバッハ無伴奏。流れにのって今夜も…。取り出したのはこの盤だ。

シギスヴァルト・クイケン(1944-)の弾くバッハの無伴奏バイオリン作品集。ソナタとパルティータの計6曲が収録された盤。1999~2000年の録音。十数年前ちょっとしたいきさつがあって、ある古楽リコーダー奏者からいただいた。 説明をするまでもないだろうが、シギスヴァルト・クイケンは有名なクイケン三兄弟の真ん中。三兄弟は揃って古楽分野で活躍している。ぼくは古楽ファンでもピリオド指向でもないので、彼の盤はこれが唯一手元にあるだけだ。にもかかわらず、バッハの無伴奏を聴くとき他のいくつかの盤よりもこの盤を手にすることが断然多い。
この盤、まず録音が素晴らしくいい。さすがは伝統を誇る独ハルモニアムンディ(DHM)。透明感にあふれ、ヴァイオリンの音だけでなく周りの空気までも澄み切っているように感じる。ナチュラルなエコーも十分効いていながら細部もあいまいにならずよく聴こえる。ピリオドスタイルというと門外漢のぼくなどはやや過激な表現やモダンとかけ離れた奏法と音響をイメージするが、このクイケンの演奏はそうした違和感がない。ライナーノーツによれば使用楽器はジヴァンニ・グラツィーノ作。弓も当時のオリジナルとある。さきほどからソナタ第3番ハ長調BWV1005が流れているが、第2楽章フーガのテンポは落ち着いているし、続く第3楽章のラルゴも急がずもたれずで実に好ましく美しい。まさに心洗われる思いに至る。
この盤の音源でBWV1005のラルゴ。あまたあるバッハの曲の中でも最も美しい旋律の一つ。
クイケンはヴィオラ・ダ・スッパラ(ヴィオラポンポーザ)も器用にこなす。チェロ組曲第1番のプレリュード。
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