ヴァントのブラームス第2



週明け月曜日…といっても三連休につき本日もオフ。
先日聴いたケンペのブラームスで久々に目が覚め、週末をはさんで手持ちの盤をいくつか聴いたのだが、その中であらためて感心したのはこの盤だった。


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ギュンター・ヴァント(1912-2002)指揮北ドイツ放送(NDR)交響楽団(現NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団)によるブラームス交響曲第2番ニ長調。1996年7月NDRの本拠地ハンブルグ・ムジークハレでのライヴ録音。手持ちの盤は同コンビによる全集中の一枚。

ディスクをプレイヤーにセットし、プリアンプの音量ボリュームをかなり絞り気味に合わせてからプレイボタンを押す。冒頭の低弦群の奏するd-cis-dのモチーフが弱く、しかしはっきりと聴こえる程のレベル。深夜リスニングのお供、ゼンハイザーのHD-800で聴いていると、その程度の音量でも全体のバランスを崩すことなく、オケの響きとステージの広がりが聴き取れる。

晩年になってもテンポの落ちなかったヴァント。ぼくの頭にあるこの曲の標準的なテンポよりわずかに速めの設定だが、急ぐ感じはない。音楽のテンポ設定はごく大雑把に言えば、速ければキレがよく、遅ければコクが出る。ヴァントの設定は正にキレとコクの絶妙なバランスをキープ。各パートの響きはタイトでフレージングも明確。何より音楽が推進力に満ち、淀みなくよく流れる。常にどのパートがフォーカスされているのかもよく分かる。細部を綿密に仕上げ、それを積み重ねて全体を構築する手腕は素晴らしいのひと言だ。
ライヴ録音ながら録音も秀逸で、毎度ながらぼくが聞き耳を立てるコントラバスの基音の支えもしっかりととらえられている。あえて注文を付けるとしたら、ヴァイオリン群の高音が少々ヒステリックに響くことがあり、ここはもう一段の芳醇さが欲しいのだが、ライヴ録音であることを勘案すれば上出来だろう。


この盤の録音から遡ること十年程前1984年のライヴ。ヴァント72歳。オケは同じNDR響


この盤の音源。全4楽章。


先日のハイドン・ヴァリエーション同様、この曲もブラームス自身によるピアノ連弾編曲が残されている。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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