ベートーヴェン 三重協奏曲
天候不順と何度目かのコロナ感染ピークであたふたしているうちに、気付けば八月も下旬。身辺諸事情もあたふた…。何だかなあ…で日々暮れる。
さて、きのう日曜日の昼下がり、整理進行中の音盤棚を見回し、先回のベートーヴェンで思い出したこともあって、しばらく聴いていないこの盤を取り出した。

ベートーヴェンのヴァイオリン・チェロ・ピアノのための三重協奏曲ハ長調。カラヤン(1908-1989)指揮ベルリンフィルのもと、オイストラフ(1908-1974)・リヒテル(1915-1997)・ロストロポーヴィッチ(1927-2007)がソロを弾いた1969年の録音。この曲について語られるときには必ず登場する名盤。トップスターがレーベルを超えて集まったこの盤は、当時大変な話題となったものだ。手持ちの盤は70年代半ばにブラームス(オイストラフ・ロストロポーヴィッチ・セル&クリーヴランド管)のドッペルとカップリングされた2枚組で出たときのもの。記憶があいまいだったが、ジャケット裏に記された日付によると1977年の冬。大学卒業を前にした頃、手に入れたようだ。
今更この演奏の素晴らしさをくどくど語るつもりはない。ジャケットの豪華な顔ぶれを見ただけで、その演奏が想像できるほどだ。そしてその想像通りに演奏は展開される。管弦楽はどこまでもシンフォニック。巨匠三人のソロも今時は聴けなくなった重量感とコクがある見事なものだ。ベートーヴェンの曲としていささか中身が乏しいと、とかく言われがちのこの曲が再評価されることになったもの、この演奏によるところが大きい。
堂々とした第1楽章、抒情的な変奏が続く第2楽章、そしていつ聴いても心おどるアラ・ポラッカの第3楽章。ぼく自身この盤でこの曲に開眼し、以来世評とは裏腹に大のお気に入りとなった。今でも同じベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲より聴く頻度が多い。半世紀前とはいえ、すでにアナログ録音技術は完成していた時期で、その音質は今聴いても何の不満もない。まさに千両役者揃い踏みの名盤だ。
この盤の音源。全3楽章。
同じソリストの面々によるライヴ。1970年とあるから、この盤の録音直後ということになる。指揮は当時まだソビエト国内にいたキリル・コンドラシン。
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