カシオペア「Photographs」



九月最初の週末日曜日。このところ関東地方は雨続き。湿度の影響もあってか楽器の鳴りはイマイチ。指の不調も相変わらずで全然ギターを弾いていない。いろいろ冴えないなあ…と、ぼやいていても仕方ない。何か聴いて気分を上げようと、こんな盤を取り出した。


202109_Casiopea_Photographs.jpg


カシオペアの数あるアルバムの中でもお気に入りの一枚。彼らの第9作目にあたるアルバム「Photographs」。1983年録音。手持ちのLPは20年近く前、リサイクルショップのジャンク箱から百円也で捕獲してきたもの。帯付きのミントコンディションで、外観・盤質とも新品同様だった。収録曲は以下の通り。現在に至るまで彼らのライヴで繰り返し演奏される人気曲がいくつか収まっている。

Side_A
 1.LOOKING UP
 2.DAZZLING
 3.LONG TERM MEMORY
 4.STRASSE
 5.OUT DRIVE
Side_B
 1.MISTY LADY
 2.LOVE YOU DAY BY DAY
 3.SPICE ROAD
 4.FRUIT SALAD SUNDAY
 5.FROM OVER THE SKY

このアルバムが出た1983年頃、彼らの人気は絶頂期。アイドルポップスに飽き足らない音楽好きの若者の多くは彼らの繰り出すテクニカルでポップな音楽に傾倒していた。ぼく自身は当時、社会人になって数年が経った頃。聴く音楽はもちろんクラシック主体だったが、カシオペアの曲はテレビにもラジオにもしばしば流れ、聴くともなしに耳に入ってきていた。もっとも、以前も何度か書いているように、ぼくがカシオペアを聴くようになったのは90年代半ばになってからで、この「Photographs」もリアルタイムでは知らず、CD共々後年手に入れた。

日頃から移動中のカーオーディオで聴いている盤だが、きょうは久々にLP盤に針を下した。先日入れ替えた2S-305から、たった今そこで録られたのではないかと思うほどフレッシュな音が飛び出してくる。重くタイトながらキレのある神保彰と櫻井哲夫のリズム隊、凝ったコードワークとヴォイシングでカシオペアサウンドを決定づける向谷実、そしてテクニカルなギターをソロを繰り出しながらもバンドとしてのアンサンブルをまとめる野呂一生。当時二十代半ばの若者だけのバンドとは思えない完成度だ。そして、このアルバムではそれまでカシオペアにはなかったボーカル要素も組み入れられ新境地を見せている。中でも「LOOKINGUP」「DAZZRING」「MISTY LADY」などは、現在に至るまでライヴでは必ずといっていいほど演奏され、何度聴いてもその斬新な曲想に心踊る。

それにしても…このアルバムから四十年近くが経ち、当時二十代だった彼らも還暦(もちろん、こちらも)。遥かに来てしまったなあと思うことしきりである。


カシオペアの曲でもっとも好きな曲の一つ「DAZZRING」 この盤の音源。


このアルバムから3年経った1986年のライヴ。ボーカルに楠木勇有行が参加した。


レーザーディスクでリリースされたこの1986年のライヴは以下で全編観られる。
https://youtu.be/oskHCN7kOrY

現代のエレクトーンを駆使すれば一人カシオペアに!



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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