ハイドン 交響曲第44番ホ短調「悲しみ」



十月最初の週末日曜日。コロナ感染第5波がひとまず収まり、緊急事態宣言他が解除となったことで、そこここから秋の便り。残念ながら、ぼくにはあまり関係なくパッとしない週末。やれやれと溜息まじりの音盤タイム。取り出したのはこの盤だ。


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ヨーゼフ・ハイドンの交響曲第44番ホ短調「悲しみ」。デニス・ラッセル・デイヴィス指揮シュトゥットガルト室内管による全集ボックス中の一枚。同時代に作られた第43番変ホ長調「マーキュリー」がカップリングされている。シュトゥットガルトのメルセデス・ベンツ・センターでのライヴ録音。

他の作曲家にもよくあることだが、ハイドンの場合も作品番号(有名なところではホーボーケン番号)が必ずしも作曲順にはなっていない。近年、ハイドンの交響曲はいくつかの時代区分に分けられ、この第44番は1770年前後のシュトルム・ウント・ドランク(疾風怒濤)期に含まれている。この時期の交響曲としてはほぼ作曲年代順に、第38,58,35,59,49,26,41,65,48,44,43,52,42,47,45,46番が含まれ、疾風怒濤の言葉通り、積極的な感情表現の表出や劇的な曲想をもち、ハイドンの交響曲として有名な後期作品とはまた違った趣きの名曲が多い。また、そうした感情表現のためもあってか、短調作品が集中しているのも特徴だ。第26(哀歌),49(受難),44(悲しみ),52,45(告別)番と短調作品が並ぶ。

第44番ホ短調は4つの楽章からなる。第1楽章冒頭は他の短調作品同様、印象的なユニゾンで始まる。モーツァルトはよく聴くがハイドンにはあまり馴染みがないというむきも、この冒頭を聴くとモーツァルトの短調作品に勝るとも劣らない曲想に一気に引き込まれるだろう。第2楽章にメヌエットが配される。厳粛な第1楽章を受け、このメヌエットで和むかと思いきや、この楽章も悲しみをたたえる。これ程に悲しみをたたえた舞曲が他にあるだろうか。トリオではいくらか明るい表情になり、ホルンが美しいハイトーンを奏でる。第3楽章アダージョはハイドンが自らの死に際して奏してほしいと言った楽章。弱音器をつけた弦楽群が美しく歌う様はまさに天上の調べだ。終楽章プレストは悲しみの疾走。ヴェイオリン群と低弦群とが、ときにユニゾンで、ときに相対するがごとく突き進む。

デニス・ラッセル・デイヴィス&シュトゥットガルト室内管による演奏は、このコンビらしい折り目正しく過度な演出を排したもの。オケの編成も小さめにとっていて、シンフォニックというよりは室内楽的な響き。「悲しみ」の副題に寄り添うような楚々とした演奏だ。


手持ちの盤からアップ。第1楽章。


若杉弘と都響による演奏。1995年東京文化会館。凛とした指揮姿。格調高い音楽。


日本でもお馴染みのジョナサン・ノットとユング・ドイチェ・フィルによる演奏。



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