ドヴィエンヌ フルート協奏曲ホ短調
少し前からブツブツぼやいていた納期仕事を何とかやっつけ、ひとまず休心。安堵の帰宅をなった。今回思いのほか手を焼いてしまった影響は今月から来月にかけて尾を引きそうだが、先のことは…まあ、そのときになったら考えよう。というわけで、今夜は解放された週末金曜日。先日聴いたペルゴレージで思い出し、こんな盤を取り出した。

フランス古典期の作曲家にして有能なフルート奏者でもあったフランソワ・ドヴィエンヌ(1759-1803)のフルート協奏曲。どんな楽器でもそうだろうが、その楽器の世界ではポピュラーでありながら、音楽全般の中にあっては、ごく一般的な愛好家にはほとんど省みられない作曲家や曲がある。このドヴィエンヌもそんな存在かもしれない。この盤にはかなりの数が存在する彼のフルート作品から、2つのフルートのための協奏協曲ト長調作品76とフルート協奏曲第7番ホ短調が収められている。オーレル・ニコレのフルート(作品76では夫人のクリスティアース・ニコレが加わる)とアントーニ・ロス=マルバ指揮オランダ室内管弦楽団の演奏。1979年録音。例によって以前、格安箱買いしたLP盤中にあったもの。
さきほどからホ短調の協奏曲を聴いている。古典期の短調作品の多くが緊張や深い感情表出に使われたように、この曲の第1楽章アレグロはまさにそうした性格を感じさせる開始だ。第2主題では穏やかな長調旋律を取りながら突如して短調に転じるなど、いずこもこの時代の短調作品特有の充実した響き。第2楽章はソロフルートが終始美しい旋律を典雅に歌うアダージョ。終楽章ロンドは再び短調に戻るが、長調の副主題を交えながらソロが華麗な技巧を繰り広げる。「フランスのモーツァルト」とも称されたドヴィエンヌの面目躍如たる佳曲だ。フルトヴェングラー時代のベルリンフィル首席であったオーレル・ニコレは、終楽章の技巧的なフレーズもやや渋めの音色と落ち着いた吹きぶりで素晴らしい。
ランパル&パイヤールによる音源。シュトゥルム・ウント・ドランク!
楽譜付き音源
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