J.C.バッハ 協奏交響曲ハ長調
淡々と日々過ぎる。昨年来のコロナ禍もすっかり日常になっていていいはずだが、中々そうもいかない。例えば…有給休暇の取得が以前に比べてずっと減った。中々休めない。あちこち少しずつボディーブローのように効いているのだろう。気付けば十月も下旬。天気の具合をみて休みを取り、紅葉求めてドライブでも行きたいところだが、どうやらそれも出来ないまま今月も終わりそうだ。さて、そんなことを言いながらも程々で仕事を切り上げ、いつもの時刻に帰宅。変わらぬ音盤ルーチン。今夜はこんな盤を取り出した。

大バッハの末息子ヨハン・クリスチャン・バッハ(1735-1782)の交響曲集。米ノンサッチ原盤に日本語解説のリーフレットと帯と付けて80年代半ばにワーナーパイオニアからリリースされた盤。レスリー・ジョーンズ指揮リトル・オーケストラ・オブ・ロンドンによる演奏。収録曲は以下の通り。協奏交響曲では独奏にジェームス・ゴールウェイ(Fl)、テレク・ウィケンズ(Ob)、ウィリアム・アーモン(Vn)、ノーマン・ジョーンズ(Vc)が加わる。1968年録音。
Side_A
交響曲ニ長調 作品18-3
交響曲ホ長調 作品18-5
Side_B
協奏交響曲ハ長調 Terry289/4 フルート・オーボエ・ヴァイオリン・チェロと管弦楽のための
大バッハの子供たちの中では、W.F.バッハやC.P.Eバッハを並んで音楽家と大成したJ.C.バッハは、時代的にはハイドンやモーツァルトと重なる。特に若き日(幼き日)のモーツァルトと交流し影響を与えたことで知られる。オペラ作家としてロンドンで活躍し、またオペラの序曲を発展させたシンフォニアそしてシンフォニーの様式が確立される時期に多くの作品を残した。この盤ではそんな作風を代表する「6つの大序曲」作品18の中から第3番と第5番、そして1770年に作られたとされる協奏交響曲が収められている。
先程から聴いている協奏交響曲ハ長調。この曲が作られた18世紀終盤には、複数のソロ楽器を含む協奏交響曲が大いにもてはやされたと、ライナーノーツに書かれている。あらためてハイドンやモーツァルトの協奏交響曲の作曲年代をみるとまさにこの時期1770~90年に書かれている。曲は急・緩・急のセオリー通りの構成。第1楽章はソナタ形式で作られていて、第1主題、第2主題ともフルート、オーボエ、ヴァイオリン、チェロと、ソロ楽器が順に奏される。超絶技巧を競うような展開はなく、いずれも楽器もその持ち味を生かしながら穏やかなフレーズを提示する。技量の揃った仲間内で集って楽しんだことが容易に想像出来る曲想だ。
このところ、いわゆる前古典から古典と言われる時代の曲をあらためて聴いているが、ハイドン、モーツァルト等のビッグネームに隠れた多くの職業作曲家が活躍していたことを再確認する。そしてのそれらの作品がもつ「安心・安全」の古典派手法にいつも安堵しつつ、手垢にまみれていない新鮮さも感じ、大いに楽しんでいる。
協奏交響曲ハ長調 Terry289/4
交響曲ニ長調作品18-3 2つのオーケストラによってコンチェルト・グロッソのように進む。
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