マイルス・デイヴィス「Round About Midnight」



コロナ禍もひとまず静かな状況が続いている。都内での仕事で利用するJR東京駅もこのところ目立って人出多く、恐る恐るながらも日常を取り戻しつつある感が強い。 さて今週も変わりなく始まり、きょうは火曜日。帰宅後ひと息ついて音盤棚を見回し、こんな盤を取り出した。


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マイルス・デイヴィス(1926-1991)のリーダーアルバム「Round About Midnight」。1956年モノラル録音。メンバーはマイルス・デイヴィス(tp)、ジョン・コルトレーン(ts)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。手持ちの盤は90年代半ばにリリースされたCDで、後年のボーナストラック含む盤とは違い、オリジナル通り以下の6曲が収録されている。

1.ラウンド・ミッドナイト
2.アー・リュー・チャ
3.オール・オブ・ユー
4.バイ・バイ・ブラックバード
5.タッズ・デライト
6.ディア・オールド・ストックホルム

マイルス・デイヴィスというと、その代名詞のようなミュートトランペットによるリリカルなプレイを想像する。そしてこの盤でも冒頭タイトルチューンの#1「ラウンド・ミッドナイト」で、その真価を聴かせてくれる。だが、そうしたプレイがときに重苦しさや暗さにつながることもあって、マイルスのリリカルなバラードプレイはいつでも誰にでもとは言い難い側面もある。しかしこの盤では続く♯2「アー・リュー・チャ」ではアップテンポに転じ、また♯3、♯4はミディアムテンポ、♯5はまたアップテンポと、変化に富んだ曲構成とし、その結果、抒情的な雰囲気と軽妙なスウィングとで、アルバム全体としてはタイトル通りの夜の雰囲気を漂わせつつ飽きさせないで聴かせてくれる。当時まだ無名に近かったコルトレーンや、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズのリズム隊も万全だ。


この盤の音源。多くのアーティストによって取り上げられることの多い名曲「ディア・オールド・ストックホルム」。冒頭のマイルスのミュートトランペット、続くポールチェンバースのベースソロ、そして3分20秒過ぎからのコルトレーンのサックスソロ。いずれも秀逸だ。


この盤の全曲



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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