田邊氏来宅



「与太さん、あす在宅ですか? 近くまで行く予定があるので… ちょっとお見せしたものもあるし…」と先日、ギター製作家の田邊さんより連絡が有り、久々に拙宅でお会いした。


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田邊雅啓氏とはかれこれ二十年の付き合いになるが、いつ会っても本当にナイスガイだ。ギター製作への熱意、フランクでやさしい性格と物腰、そもそもカッコいいし…一度会うと誰でも彼のファンになるに違いない。このブログでも何度も彼のことを絶賛しているが、「与太さんのブログをみたという方からの注文や修理の依頼も何度もありますよ」とのこと。ややこしい修理ばかり持ち込まれては迷惑かとも思うが、彼の製作・修理の技術と真摯な取り組みには、いくらでも賛辞を並べたくなる。足利市の田邊工房から拙宅までは車で一時間程。この日は田邊さんが拙宅近くでの所用を済ませたあと来宅。穏やかな陽射しが差し込む休日の午後、ひとしきりギター談議を楽しんだ。

現在製作中のギターについて、さらにそのあと予定している製作分についての構想など、相変わらず研究熱心。最近は以前ぼくも一緒に検分させてもらったトーレスや、その少し前にアウラに入荷したロベール・ブーシェのトーレスモデル辺りにヒントを得ているとのことだった。尽きない話が一段落したところで彼が、「与太さん、これ見て下さいな」といって一冊の本を取り出した。

例のオルフェオマガジンのCamino Verdeから出ている「34 Classical Guitars in Life Size」という本。本というよりは写真集といった方がいいかもしれない。トーレス以降の20世紀クラシックギターの名器34本について、その原寸大の写真や裏板、ロゼッタの拡大写真などが、楽器ごとに一枚の大判用紙に印刷されている。オルフェオ誌同様、BMW等欧州高級車撮影の仕事していたというAlberto Martinez氏による原寸大の写真は迫力満点だ。ロゼッタもここまで拡大すると、名工達が意匠と技術をつぎ込んで造作をする様子が目に浮かんでくる。


マヌエル・ラミレス、トーレス、ガルシア、ハウザー、ベラスケス…名器の数々。日本製は河野1967年が仲間入り。
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エルナンデス・イ・アグアドは1969年♯392が載っている。手持ちの1973年♯443を並べてみた。
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この本、Camino Verde社のサイトでは190ユーロ、米GSIでは250ドル。もしかしたらアウラ辺りで在庫しているかもしれない。名器34本の実物大のリアルでクオリティの高い写真を目の当たりにすると、三万円程の価格は格安と感じるが、どうだろう。


こちらは姉妹編「34 Iconic Guitars in Life Size」


同 撮影の様子



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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