G・セルシェル ソル作品集
都内での仕事を終え、夕方5時過ぎの新幹線で帰途に。このところ東京駅構内、新幹線車内共に混雑が著しい。コロナ禍に対する世間の認識と対応をそのまま反映している感が強い。ちょうど2年前の今頃は人影まばらな異様な光景だったことを思い出す。さて、そんな世間の認識に次第に慣らされつつも程々に用心して一日を終え帰宅。ひと息ついて今夜はこんな盤を取り出した。

イョラン・セルシェル(1955-)の弾くソル作品集。セルシェルがデヴューしてから早いもので40年になる。当時出たLPを何枚か買い、その端整で古典的かつ普遍的な演奏に大そう関心したものだ。きょう取り出した盤は十数年前に廉価盤で出たシリーズの中にあったもの。オリジナルは1985年の録音。ソル作品集と題されたこの盤、以下の通り中々玄人好みの選曲がいい。
1. 「魔笛」の主題による変奏曲op.9
2. 悲歌的幻想曲op.59
3. スコットランド民謡「小川の岸辺」による幻想曲op.40
4. 幻想曲op.7/「大ソナタ」第2番op.25~ラルゴとメヌエット
5. 2つの主題,変奏と12のメヌエット~メヌエット第1番
6. 幻想曲第7番op.30-7「2つの愛唱歌による華麗な変奏曲」
魔笛ヴァリエーションはお約束としても、作品59の悲歌幻想曲は滋味あふれる曲だし、「小川の岸辺」による幻想曲も珍しい。ソルの傑作と一つとして評価の高い第7幻想曲も入っている。作品11のメヌエットは高校時代、何かのイベントがあって、市内の女子高まで出向いてステージで弾いた懐かしい曲だ。セルシェルといえばスウェーデンリュートの系譜を引くと考えられる11弦ギターを連想するが、この盤はオーソドクスなモダン6弦ギター(ジャケット写真によればラミレス)で弾いている。演奏は古典的な様式感から逸脱することのない楷書の趣き。ギター曲である前にきちんと作られた19世紀古典曲であることを感じさせる。
若き日のセルシェル来日時の演奏で第7幻想曲作品30の7(前半)。この盤のジャケットを同様、楽器はホセ・ラミレス。
第7幻想曲作品30の7(後半)
ソルの楽譜アーカイブはこちらのリンクから。
http://www.guitareclassiquedelcamp.com/partitions/fernandosor.html
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