ニッキ・パロット「Fly Me To The Moon」



今週は降ったり晴れたり、寒くもあり暑くもあり、早くも春から初夏への季節の変わり目か…。今週もせっせと働き、週半ばの木曜日。帰宅後一服して、今夜は甘口ジャズ。こんな盤を取り出した。


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ベース弾き語りで人気のニッキ・パロット(1970-)のアルバム「Fly Me To The Moon」。以前記事にした「Moon River」というアルバムが2007年録音のデヴューアルバム。そしてこの「Fly Me To The Moon」は2008年録音のセカンドアルバムとのこと。前作はジャズファンのみならず、広くポピュラーファンにも聴かれてベスト&ロングセラーになったとのこと。前作同様この盤も、いかにもジャズファンのオヤジどもがジャケ買いしそうなアルバムだが、中身でも十分勝負できる出来栄えだ。収録曲は以下の通り。お馴染みのスタンダードが並ぶ。

1.すてきなあなた
2.アイ・ラブ・ザ・ウェイ・ユア・ブレイキン・マイ・ハート
3.ドゥー・イット・アゲイン
4.フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
5.バラ色の人生
6.ワルツィング・マチルダ
7.アイ・ネバー・ハド・ア・チャンス
8.イブル・ガル・ブルース
9.フォー・オール・ウィ・ノウ
10.シャレード
11.夏に消えた恋
12.ゼム・ゼア・アイズ
13.いつも二人で

M1の「すてきなあなた」は彼女自身のベース弾き語りのボーカルソロで始まる。ワンフレーズ終わるとリズム隊が加わり、ハリー・アレンの甘く太いテナーサックスが絡んで、すっかりいい雰囲気になる。M4の「フライ・ミー・トー・ザ・ムーン」はさすがにタイトルチューンだけあって聴き応え十分だ。マーク・スガンガのギター・リフをバックに冒頭から軽くスウィングしていき、ニッキのヴォーカルもマイナー・スウィングにのって、派手にならずちょっと暗めのニュアンスを残して「私を月に連れてって」と語りかける。途中に聴かれる彼女のベースソロも力で押すような感じはなく、軽く曲想にあったソロプレイだ。アップテンポのM12「ゼム・ゼア・アイズ」はこのアルバムの中でももっともスウィンギーなチューンで、ニッキのベースソロを含む各メンバーのソロ回しも楽しい。
彼女のヴォーカルは、強烈な個性や誰をも唸らせるようなところはないかもしれないが、軽過ぎず、重すぎず、実にストレートで素直。語り口も甘ったるくなる一歩手前でコントロールされていて好感が持てる。


この盤の音源。タイトルチューン「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」


同 「すてきなあなた」


2020年のライヴ。たっぷり1時間のお楽しみ



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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