R・シュトラウス ピアノソナタ ロ短調作品5
月があらたまって風薫る五月。ゴールデンウィーク前半の日曜日。日頃ずぼらして散らかり放題になっている机周りの整理整頓。やった本人は清々した気分になったが、傍目には変わりはないだろうなあと思いながら一服。ついでにアンプの灯も入れ、この盤を取り出した。

先日来の続きでまたまたグールド。先日も記事にしたリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)のピアノ作品。今夜はロ短調のピアノソナタ作品5。この作品はリヒャルト・シュトラウスには珍しいピアノ曲の一つで、しかも十代の後半に書かれた曲。有名な曲だが、ぼくはこのグールドのボックスセットで初めて接した。1982年録音。
R・シュトラウスと聞けば、もっぱら管弦楽技法を駆使した管弦楽曲やオペラなど、後期ロマン派の濃厚な音楽を思い浮かべる。しかし、このピアノソナタはそうしたイメージとはまったく異なる。もちろん時代としてはロマンティックな要素を持ち合わせているが、同時に、若き日のシュトラウスが学んであろう古典派の様式と和声感をしっかり伝承している。その結果、彼の管弦楽曲のような技巧やモチーフてんこもりの曲想とは違い、シンプルにして明快かつ美しい。グールドの弾くブラームス間奏曲集のアルバムと同列のロマンティシズム、美しさと慰安に満ちていて、聴き進めるほどに心穏やかになる。先日記事にした「5つの小品」同様みずみずしく簡素なロマンティシズムをたたえた美しい曲だ。
この盤の音源。第2楽章。美しい…
この盤の楽譜付き音源 全楽章
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