交響組曲「宇宙戦艦ヤマト」
週明け月曜日。連休も終了。4月から続く業務ひっ迫はゴールデンウィークで更に状況悪化。マジでヤバイ、今週がヤマだな…と神妙な面持ちで退勤。そうはいっても40年余の勤め人生活でこちらも海千山千。まあ何とかなるだんべえ…と高をくくって一服。今夜はこんな盤を取り出した。

かれこれふた昔前の話…ある部署の担当になったときの就任挨拶で「今や時代はCD。家の押入れに眠っていて聴かないレコードがあったら何でもいいから譲ってほしい。菓子折りと交換したい。」と、仕事の話はそっちのけでメンバーに声をかけた。その結果、数十枚のレコードが集まった。その中に「宇宙戦艦ヤマト」の関わる盤が何枚かあった。かつてアニメがヒットしていたことと佐々木功の歌だけは知っていたが、それ以上の知識も感心もなかった。従ってこれらの盤もまともに聴いたこともがなかったのだが、せっかくの同僚たちの好意を無にするのはナンだなあと、ひと通り聴き通したものだ。
今夜聴いた盤は「交響組曲宇宙戦艦ヤマト」と題された一枚。劇中の代表的な音楽が管弦楽を中心にシンフォニックな編曲で演奏されている。序曲では今も活躍している川島和子が美しく印象的なスキャットを聴かせてくれる。続く佐々木功の歌でヒットしたメインテーマの旋律は歌なしの管弦楽で奏される。ここだけは何も知らないぼくも思わず口ずさんでしまう。そして、ヤ~マ~ト~と歌い上げたあと、金管のファンファーレが減5度の音を高らかに吹く。この一節だけで、宮川泰は天才ではないかと思ってしまう。
この手の映画音楽や編曲の多くはクラシックに端を発している。それもロマン派から国民楽派、あるいは後期ロマン派あたりのネタが多い。チャイコフスキーやラフマニノフ、コダーイ、ホルスト、リヒャルト・シュトラウス、さらにもっと情緒的な場面ではマーラーの交響曲の影響も大いに感じる。ハリウッド映画の歴史巨編といった類の映画音楽でもその辺りの影響が強い。このヤマトの音楽はそれに加えて、歌謡曲でも多くの傑作を残した宮川泰らいしく、センチメンタルな歌謡調のメロディも出てきて、ときおりグッとくる。管弦楽のシンフォニックな編曲を基本としているが、演歌ギターの第一人者木村好夫のギターソロも出てきたり、マントバーニオーケストラ風の弦楽器のカスケードアレンジがあったりと、宮川泰の引き出しの豊富さを思わせる。そして何より素晴らしいメロディーメーカーだった。
作曲者宮川泰指揮の演奏。川島和子のスキャット、佐々木功の歌声も楽しめる。
手持ちの盤(写真左上)の音源。交響組曲「宇宙戦艦ヤマト」
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