吉田秀和没後十年



きのう5月22日は吉田秀和(1913-2012)の命日。98歳で亡くなってからちょうど十年経った。


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70年代の学生時代にその著作を読み漁り、音楽を聴くということはそういうことなのかと、僅かながらも合点したものだ。当時から今まで、音楽評論ということで信頼して接することが出来たのは、吉田秀和氏と大木正興氏くらいだろうか。NHKFMで長らく放送された「名曲の楽しみ」も当時の楽しみの一つだった。休日の朝、下宿の貧弱なオーディオセットで半分寝ぼけた状態でナガラ聴き。音楽にとどまらない知の巨人ともいうべきその知識と見識を、妙にもっらいぶらず、権威主義のかけらも感じさせないフレンドリーでしかし品性のある語り口で聴かせてくれた。

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2007年夏、作家堀江敏幸が吉田秀和氏の鎌倉の自宅を訪問しインターヴューした番組がNHKで放映された。前後して雑誌にもその様子が記載された(写真)。堀江氏との一問一答。自宅での執筆の様子、ELACのスピーカーで音楽に耳を傾ける様子等々。吉田氏の身辺にあんな風にカメラが入ったのは最初で最後のことだろう。その他にも吉田氏が見い出した演奏家の姿など、今となっては懐かしくも貴重な映像だった。

最近は音楽評論や解説書のたぐいを読むことはほとんどない。CDの新譜を手にすることも激減した。これも老成なのか分からないが、吉田氏の著作をあらためて読みながら、手持ちの音源を聴き直そうかと考えている。


NHKで放送された番組



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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