セル&クリーヴランド管 ドヴォルザーク交響曲第8番ト長調@1970



少し前に聴いたセルのハイドンで久しぶりに感激し、きょうは音盤棚を見渡してこの盤を取り出した。


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ジョージ・セル(1897-1970)と手兵クリーヴランド管弦楽団によるドヴォルザーク第8番ト長調。1970年録音EMI盤。長い盤歴をもつセルのラストレコーディングにあたる。セルとクリーヴランド管弦楽団が最初で最後の来日を果たしたのが万博の年、1970年5月。それに先立ち同年4月にこのドボルザークが録音されている。来日時の素晴らしい演奏を繰り広げて帰国したセルは、その二ヵ月後1970年7月に亡くなった。そういうことを思いながら聴くせいか、このドヴォルザークにはどこか静けさと寂しさを感じずにはいられない。手元にはこのコンビによるCBS時代の同曲の盤もあるが、かなり印象が違う。

当時、世界トップクラスのアンサンブル能力を誇ったこのコンビの演奏だ。録音セッションといえども最高のパフォーマンスを発揮している。が、決して大音響で他を圧するというよう演奏でない。第1楽章冒頭のチェロパートの奏でるフレーズからして、やや抑え気味の表現だ。ここは普通ならもっと歌わせたくなるところだろう。展開部に入ってもヨーロッパ調の、弦楽群を中心にしたよくブレンドされた音響イメージが続く。もっと派手にドンチャンやる演奏が多い中、さずがセル晩年の境地と言いたくなる素晴らしい響きだ。ポピュラーな第3楽章ではやや遅めのテンポを設定し、淡々と美しいメロディーが奏される。そしてこうした抑えた表現がより一層聴き手の心をかきむしる。昨今のオーケストラも指揮者も、目立つパフォーマンスや選曲にばかり意識がいくのか、ともかく「大声で歌う」ような演奏が増えてきた。端整で、内に情熱を秘めながらも抑制が効かせ…そういう演奏はもう中々出てこないのか…。セルの演奏を聴いているといつもそう思う。


YouTubeにある音源がいずれも手持ちCDとかけ離れた音質だったので、手持ちの盤からアップしてみた。第3楽章


同 第1楽章


カップリングされている「スラヴ舞曲ホ短調」



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