小曽根真トリオ「Dear Oscar」



きょうは山の日。思い起こせば二十代にはよく山へ行った。梅雨明け十日といわれる夏休みのこの時期は天候も安定していて、北アルプスの縦走路も快適だった。ほとんどが単独行で、わいわいがやがやの楽しい青春とは縁遠い山旅。三十代の終わり頃、何度目かの谷川岳西黒尾根を登ったのが最後となった。以来、山とも縁がなくなり、今やもうロープウェイに乗る気にもならなくなってしまった。…と、そんな人生の黄昏如く感慨にふけっているのもよくないなあと思い、気分をアップさせようとこんな盤を取り出した。


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ピアノの小曽根真がトリオ編成で演奏したオスカー・ピーターソンへのトリビュートアルバム「Dear Oscar」。1997年録音。
90年代後半、日本人のジャズを少しまとめて聴いた時期があった。そのときに手に入れた一枚。この盤が出た当時、小曽根真はメインストリームジャズの若手として大そう人気があった。きっと今もそのポジションに変りはないだろう。この盤はタイトル通り、オスカー・ピーターソンへの敬意を標榜し、収録曲全10曲のうちオスカーのオリジナル曲が5曲を占めている。

この盤に先立つこと一年前にリリースしたアルバム「The Trio」がよりアグレッシブな音楽運びをしているのに対してこのアルバムでは終始リラックスして、軽くスウィングするオーソドクスなトリオプレイが楽しめる。もっとも単なる耳あたりのいいカクテルピアノにはならないところが一流の証しだろうか、M4「枯葉」なども中盤から俄然音楽が息づき始め、イマジネイティブなインプロヴィゼイションが繰り広げられる。M5のバラード「ランド・オブ・ミスティ・ジャイアンツ」も限りなく美しくクリエイティブだ。


このアルバムのタイトルチューンM1「Dear Oscar」


小曽根先生によるレクチャー



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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