R・シュトラウス チェロソナタ作品6
八月最後の週末土曜日。溜まった宅内野暮用をこなし、道楽部屋の掃除も少し念入りに…他これといったこともなく日が暮れる。夕方近くになって一服。久々にこんな盤を取り出した。

リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)の室内楽と合唱曲などを収録した3枚組みセット。室内楽としては、ヴァイオリンソナタ、チェロソナタなどが収められている。きょうはその中からシュトラウス18歳のときの作品「チェロソナタ ヘ長調作品6」を聴いている。ムスティスラフ・ロストロポービッチ(1927-2007)のチェロ、ヴァッソ・デヴェッツィ(1925-1987)というギリシャのピアニストによる1974年の録音。ちなみに、ピアノのヴァッソ・デヴェッツィはマリア・カラス晩年の友人として知られ、ときにカラス毒殺説の犯人として名があがると、ものの本に書いてあった。
さて、このソナタ。18歳のシュトラウスがミュンヘン大学在学中に作られたものだそうだ。当時ミュンヘン宮廷管弦楽団にいたハンス・ヴィーハンというチェロ奏者との出会いがきっかけとされる。曲は急緩急の三つの楽章から成り、両端楽章はソナタ形式という、いたってオーソドクスな構成。曲想もロマン派の典型的なもので、この盤のライナーノーツにも書かれているようにシューマンの作風に近い。 第1楽章は初めてこの曲を聴く者にもはっきりと第1主題、第2主題、展開部、再現部が認識できるほど明快なソナタ形式。冒頭は力強くベートーヴェン風に始まるが、以降は穏やかでロマンティックな響きが続く。第2楽章のアンダンテ・マ・ノン・トロッポはニ短調に転じ、憂いに満ちたフレーズが歌われる。
ロストロポービッチのチェロはいつも通り強く明快な音。もちろん技巧も満点と思われるが、一方で、この曲のもつ若き青春時代ゆえのもやもやとしたロマンティシズムの表出には、もう少しかげりのある弾きぶりが合うようにも感じる。録音状態はアナログ最盛期の優秀なものだが、ピアノとチェロが共にほぼセンターに定位し、響きの広がりにやや欠けるのが残念だ。
この盤の音源。全3楽章
楽譜付き音源
チェロ弾き達の楽しい語らい。後半には四人による演奏有り。
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