デュ・プレのベートーヴェン
関東地方は先週後半から、停滞する前線や台風の影響もあり、はっきりしない天気が続く。異例の早さだった6月の梅雨明け宣言もさきごろ修正され確定梅雨明けは7月となった様子。何だかいろいろ大変だ。さて、きょう日曜日は家内野暮用少々こなした以外は格別のこともなく一日終了。昼下がりの一服にこんな盤を取り出した。

ジャクリーヌ・デュ・プレ(1945-1987)の弾くベートーヴェンのチェロソナタ集。5曲のソナタに加え、ヘンデルの「マカベウスのユダ」の主題による12の変奏曲、モーツァルトの「魔笛」の主題による7つの変奏曲及び12の変奏曲が収められている。デュ・プレ25歳の1970年エジンバラ音楽祭でのライヴ。伴奏ピアノは夫君のダニエル・バレンボイム(1942-)。デュ・プレが輝やいていた最後の録音といっていいだろうか。
全5曲から成るベートーヴェンのチェロソナタ。マイ・ベストはアントニオ・ヤニグロとイェルク・デムスの盤だが、このデュ・プレ盤もときどき取り出す。先ほどから第2番ト短調を聴いている。5曲の中で唯一の短調曲。冒頭から6分近く続く瞑想的かつ叙情的な序奏で始まる。この序奏は独立した緩徐楽章と言えるほど充実していて、続くアレグロ・モルトの主部と、第2楽章のロンドとで、3楽章構成といってもいい程だ。
およそBGMにはなりにくい、深く強い感情移入に満ちた演奏。才気あふれる25歳。深々と腰掛けて遠く人生を思うような演奏になろうはずもない。音楽は前へ前へと進み、強烈なスフォルツァンドがこちらの老いかけた心に強く訴えてくる。
この盤の音源。第2番ト短調の第1楽章前半。
第2番全曲。この盤の録音と同時期の演奏と思われる。
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