グールドのベートーヴェン後期ソナタ集



十月半ばの週末日曜日。朝から町内自治会の行事。担当職務を終えて昼過ぎに帰宅した。そのまま午睡に落ち、しばし休憩。目覚めの一服で渋茶をすすりながら、こんな盤を取り出した。


202210_Gould_LVB_303132.jpg


グレン・グールド(1932-1982)の弾くベートーヴェン後期ピアノソナタ集。第30・31・32番というベートーヴェンの最後期の3曲が収録されている。録音は1956年でグールドの盤歴の中では初期のもの。

ベートーヴェンのピアノソナタは第29番「ハンマークラヴィーア」で頂点に達したといっていいだろう。その後の最後期の作品となった30番から32番は、29番に比べると規模や構成は小さくなり、反面、簡素な構成の中で精神性と叙情性がより深みを増している。特に31番と32番などはその趣きが一段と際立っている。31番の第3楽章は深い美しさをもった旋律とそのあとにベートーヴェン後期の特徴的手法でもあるフーガが続く。最後のピアノソナタとなった第32番も第1楽章こそベートーヴェンらしい激しさも現れるが、第2楽章はやはり静かな歌とその変奏が続き、全体としては静寂が支配する音楽だ。叙情性と対位法的扱いあるいは変奏形式は、深く静かに瞑想しながら曲の核心にせまるグールドの一面によく合うように思う。


この盤の音源。第31番全3楽章 少々音を加工(疑似ステレオ化)しているが悪くない。


第31番の第3楽章 解説に続いて3分7秒から演奏が始まる。


エレーヌ・グリモーの弾く第31番。ショートヘアにしたグリモーに目が釘付けだ…(^^;



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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