メンデルスゾーン 弦楽八重奏曲変ホ長調作品20
一月も半ば。年始気分もとうに失せ、すっかり平常運転。そろそろ年度末を見込んで予定を立てないと…などと考えながら本日も業務に精励。帰宅後、音盤棚を眺め、久しぶりにこの盤を取り出した。

メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲変ホ長調作品20。手持ちの盤は激安ボックスセットの雄:ブリリアント・クラシックスのメンデルスゾーン室内楽全集10枚組セットの一枚。ピアノ六重奏曲二長調作品110とカップリングされている。アマティ弦楽合奏団という団体の演奏。この曲は弦楽四重奏団を二つ合わせた編成が基本とのことだが、チェロの一方をコントラバスに代えたり、ときには弦楽合奏でも演奏されるようだ。曲は以下の4つの楽章からなる。
1. アレグロ・モデラート・コン・フォーコ
2. アンダンテ
3. スケルツ~アレグロ・レジェリッシモ
4. プレスト
実はこの曲を知ったのはほんの数年前のこと。フルート&チェロ両刀使いの知人から「メンデルスゾーンの弦パチ、いい曲だよ!」と紹介され、そういえばボックスセットにあったよなあ、と思い出して聴いたのが最初だった。メンデルスゾーンがまだ16歳のときの作品だが、30分を越す堂々たる構成。各主題の提示とその展開、そしてそれをつなぐ経過句や転調の妙など、まったく飽きさせない。さすが天才の名に恥じない名曲だ。第1楽章冒頭から若やいだ明るさと活力あふれるモティーフが続くが、時折り陰りのあるロマンティックな表情も交える。第2楽章は短調に転じ、より一層ロマン派の色合いを濃くするが、あまり深刻な表情は見せずに美しく歌われ、心打たれる。第3楽章も引き続き短調調性をとる。快速調スケルツォで、のちの交響曲などにも通じるフレーズが顔を出し、各パートはテクニカルに絡み合いながら進む。実際の演奏となると中々合わせにくいのではないか。終楽章も陽気に大団円という単純さはない。無窮動風のモチーフにのってテーマが進み、途中からフーガへと展開するところなどは、16歳の習作という域を完全に超えていて、充実度MAXの素晴らしい曲だ。
2ndチェロをコントラバスで弾くケースも多いらしい。当然、低音部の支えが堅固になり、一層ダイナミクスが拡大される。
オーケストラ編成による第3楽章スケルツォ。
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