ウェーバー クラリネット協奏曲集
二月もまもなく終わり。年度末業務が例年になく、きわどい日程で進行中だ。もうしばらくは気が抜けない…フ~ッ。さて週明け月曜日。少し前から絞り気味のボリュームでこの盤を聴いている。

カール・マリア・フォン・ウェーバー(1786-1826)の作品中、比較的メジャーなクラリネット協奏曲を集めた一枚。イギリスのクラリネット奏者アントニー・ペイ(1945-)がソロを吹き、伴奏をピリオドオケのOAE=Orchestra of the Age of Enlightenmentが付けている。1986~87年の録音。当時ちょうどバブル期突入前夜の日本。ピリオドオケの認知度も上がっていった頃にリリースされた。この英ヴァージン・クラシクスの盤は故黒田恭一氏が何かの雑誌で推薦していたのを読んで買った記憶がある。それももう30年以上前にことになるが…
収録曲は3つ。番号付きの協奏曲第1番へ短調と第2番変ホ長調、それと作品26変ホ長調のコンチェルティーノが入っている。いずれも古典期の様式をもちながら、所々に初期ロマン派の薫りを感じさせる。第1番やコンチェルティーノの冒頭などは短調の調性感を生かして意味深長に始まるが、ベートーヴェンのようにそれがどんどん深刻度を増していくようなところはなく、いずれも明るく転じていく。どの曲も典型的な3楽章形式で、第3楽章はクラリネットのテクニカルなパッセージが披露され、中々楽しい。モーツァルトのクラリネット協奏曲に比べるとやや能天気で格下に位置づけられるかもしれないが、古典的な様式感と各所に組み込まれた楽句や和声は十分に美しく魅力的だし、クラリネットのときにコミカルな音色にはむしろウェーバーの方が合っているようにも感じるが、どうだろう。
この盤の音源。クラリネット協奏曲第1番ヘ短調
ザビーネ・マイヤー(1959-)のソロ。アルド・チェッカート指揮NDR放響。1986年の演奏とのことなので、ザビーネ・マイヤーにとってはベルリンフィルとの一件があった数年後ということになる。チェッカート(1934-)の名も今となっては懐かしい。
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