ザンデルリングのベートーヴェン第1
先回聴いたザンデルリングとフィルハーモニア管弦楽団の「英雄」。じわじわと惹きつけられるその演奏に感心し、きょうは同じセットから第1番の交響曲を取り出した。


ベートーヴェンの交響曲第1番ハ長調。ザンデルリンク68歳の円熟期の録音。音楽は悠々と流れる。音価いっぱいに引き伸ばされるレガートなフレージング、柔らかなアインザッツ。ベートーヴェンの交響曲がもつ熱く劇的なイメージは少ない。こう書くと腑抜けのベートーヴェンと受け取られかねないが、そんなことはない。腕利きが揃うフィルハーモニア管の追従もよく、ゆっくり、ゆったりでありながら音楽全体は整然と進行する。80年代以降の新世代の演奏と比べるとオールドファッションの感は否めないが、今となっては貴重なスタイルだ。内田光子がベートーヴェンの協奏曲録音に際し、「ザンデルリングとでなければベートーヴェン録音はありえない」とザンデルリンクとの協演を希望して録音が実現したという(内田光子のベートーヴェンとしては少し前にラトル&ベルリンフィルとの新録音がリリースされた)。ザンデルリングというと70年代初頭のシュターツカペレ・ドレスデンとのブラームスがまず思い出されるが、ブラームスでみせる男性的な表情とはまた違った色合いのベートーヴェンだ。
第1番の第1楽章。手持ちの盤からアップした。冒頭の序奏のテンポに驚く。
同 全4楽章
カラヤン&ベルリンフィル 1977年秋@東京普門館 このときの来日公演ではベートーヴェンの交響曲全9曲が取り上げられた。
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