フェリシア・ブルメンタール(p)ベートーヴェン秘曲集
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さて…
2010年秋に始めた本ブログ。これといった趣向もなくダラダラと手持ちの盤を記事にしている。その数、いかほどになったか確認する程のものでもないが、音盤棚を見渡すと手つかずの盤、記事にしていない盤が相当数ある。健康寿命も幾ばくか残っているうちに、意識して未聴盤の在庫確認をすべきかなあと、最近ようやく思い始めた。あくまで自分のための備忘。ご紹介、おすすめ、といった視点はゼロだが、思いついたときに少しづつ記事に残そうと思う。そんな視点できょうはこの盤を取り出した。

ワルシャワ生まれのピアニスト:フェリシア・ブルメンタール(1908-1991)がほとんど弾かれることのないベートーヴェンの作品を取り上げた盤。「秘曲集」というのはぼくが勝手に付けたタイトル。あまりメジャーではない二つのオーケストラ(イルジー・ワンドハンス指揮ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団、アルベルト・ツェダ指揮プラハ新室内管弦楽団)が伴奏を付けている。1972年に日本コロンビアからのリリース。この盤も以前ネットで箱買いした数百枚の中に混じっていた。収録曲は以下の通り。
1. ピアノ協奏曲 変ホ長調 WoO.4
2. ピアノ協奏曲 ニ長調 (未完)HESS15
3. ロマンツァ・カンタービレ
4. ロンド 変ホ長調 WoO.6
この盤がリリースされたのは70年代初頭。ライナーノーツにある当時の研究成果やブルメンタールがこれらの作品を取り上げた背景、使用楽譜等についての記載は、現在の視点で見ると書き改めるべき内容が多々あるかもしれない。実際、 WoO.4、WoO.6、HESS15といった記述は本盤にはない。ぼくがネットで少し調べて追記した。しかし、ぼくもそれ以上に仔細を確認する能力もないし、単に作品を聴くという視点からはあまり重要でもないだろうと思い、それ以上の追跡調査はしていない。
世に秘曲、珍曲の類いは様々あるし、それらを追いかける愛好家もいる。道楽はマニアックに楽しんでこそのものだろうが、万事に中途半端なぼくなどは、そこまで徹する気概なく、ときたまこうした盤を見つけても、まあそんなものかで終わってしまう。そんなわけでこの盤も長いこと針を降ろすことなくきたが、きょうようやく陽の目を見ることになった。
ピアノ協奏曲変ホ長調は第0番と称されることもあるベートーヴェン14歳のときの作品。もちろん後年のようなベートーヴェンらしい個性は希薄だが、全3楽章で30分近い堂々たる規模をもっていて、まだ年端のいかぬ少年が書いたとは俄かには信じられない。ピアノ協奏曲ニ長調は第5番「皇帝」が書かれたあとに着手したものの未完に終わった作品。この盤では1890年にブライトコップ&ヘンテルによって出版された版を使い「第1楽章」として演奏されている。円熟期の作品とあって、随所にベートーヴェンらしさを感じさせる。
ソロを取っているブルメンタールはワルシャワで学んだあと南米に移り住み成功した。ヴィラ・ロボスは彼の第5ピアノ協奏曲を彼女にささげたそうだ。ワルシャワ音楽院伝来のテクニシャンながら、他のピアニストが手がけないピアノ作品を発掘して録音に残した。この盤もそうした彼女の業績の一つだ。
この盤の音源。ピアノ協奏曲 ニ長調 HESS15
同 ピアノと管弦楽のためのロンド 変ロ長調 WoO.6
ベートーヴェン14歳のときの作品。ピアノ協奏曲変ホ長調
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