クリフォード・ブラウン(tp) 「More Study In Brown」



先回に続いてきょうもジャズ。ホーン入りのアルバムを聴きたくなり、この盤を取り出した。


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クリフォード・ブラウン(tp)とマックス・ローチ(ds)がツートップになって組んだクインテットによ「More Study In Brown」。1954年から1955年にかけてのモノラル録音。収録曲は以下の通り。

side_A
1. I'll Remember April
2. Junior's Arrival
3. Flossie Lou
4. Mildama

side_B
5. Jordu
6. These Foolish Things
7. Lands End
8. The Blues Walk

クリフォード・ブラウンとサラ・ヴォーンが組んだ名盤と同時期の録音。この盤、タイトルから想像がつくように<More>のない「Study In Brown」という盤が先にある。そのアルバム他の未発表テイクを集めたというものだ。クリフォード・ブラウンのトランペットとバルトを繰り広げるテナーサックスは、A面ではソニー・ロリンズが、B面ではジョージ・モロウが受け持つ。

ジャズアンサンブルの基本形であるピアノトリオなどと違い、クインテットともなると名人の個人技で好き放題のソロを取ればそれでOKとはならない。イントロ、テーマの提示には周到なアンサンブルアレンジが必要だし、ソロ回しも曲全体の組立てを前提にした展開が欠かせない。ひとりだけコンセプトの違うソロを取っていては台無しになる。クリフォード・ブラウンとマックス・ローチという名手の手になる五重奏団ともなると、ソロ回しはもちろんだが、アンサンブルとしてのその辺りの完成度が高い。どの曲も勢いに任せず、それぞれの持ち味が統一された曲想の中で展開していて、気持ちがいい。第1曲「I'll Remember April」での抜群のドライブ感、第2曲「Junior's Arrival」での落ち着いたミディアムテンポの中での緊張感と抒情性を兼ね備えたソロ…モダンジャスを聴く楽しみの極みといってだろう。クラシックの世界ではトランペットは華やかさが前面に出るが、ジャズで聴くトランペットはむしろリリシズムに満ちた響きを感じる。


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A面のFlossie Lou


同 Junior's Arrival


同 I'll Remember April



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ケニー・ドリュー トリオ



衰えぬ暑さで一向に涼の気配なし。80年代には頻繁に「冷夏」を経験したように思うが、2000年代になってからは酷暑、猛暑の連続だ。さて週明け月曜日。きょうは久しぶりにジャズ。この盤を取り出した。


202308_Kenny_Drew.jpg

202308_kenny_drew2.jpg


ケニー・ドリュー・トリオの名がそのままアルバムタイトルになっているリヴァーサイドレーベルの名盤。ケニー・ドリューのピアノ、ポール・チェンバースのベースとフィリー・ジョー・ジョーンズのドラムスによるトリオ。1956年モノラル録音。
手元にはケニー・ドリューの盤が何枚かある。最初に知ったのは例の「ダーク・ビューティー」だった。「ダーク・ビューティー」はケニー・ドリューがヨーロッパに移り住んだのち、方向転換をする過程で生まれた傑作だったが、きょう取り出したこの「ケニー・ドリュー・トリオ」はそれよりずっと前、50年代のビバップ全盛期に彼が残した、ピアノトリオの中でも傑作とされる名盤だ。収録曲は以下の通り。

1. Caravan
2. Come Rain Or Come Shine
3. Ruby, My Dear
4. Weird-O
5. Taking A Chance On Love
6. When You Wish Upon A Star
7. Blues For Nica
8. It's Only A Paper Moon

お馴染みのスタンダードが並ぶが、中ではアップテンポのM4,5,8が抜群にいい。特にマイナーチューンのM4のスウィング感は思わずアンプのボリューム上げて聴きたくなる。ピアノトリオという、クラシックでいえば弦楽四重奏にあたる過不足ない編成。それぞれが与えられた役目をきっちり果たしつつ、個性を発揮する。このメンバーがベストのパフォーマンスを演じるこの盤ではその醍醐味が十全に楽しめる。

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この盤の音源。M4のスウィンギーなマイナーチューンWeird-O


同 M5のTaking A Chance On Love


この盤全曲の再生リスト



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アグアドの弦交換 2023年夏



数日前の昼下がり、気分転換兼ねて手持ちギターの弦交換。手に入れてから4年になるエルナンデス・イ・アグアド(通称アグアド)を取り出した。


202308_Strings.jpg

202308_Knoblock.jpg


クラシックギター用の弦はヴァイオリン属のそれと比べると安価だ。昨今、ご多分に漏れず値上がり傾向ではあるが、二千円前後で多くの種類が手に入る。素材の樹脂を供給するメーカーが限られることから、実質は同じあるいは類似の弦が、パッケージやうたい文句を変えて様々なブランドで流通している。今回も買い置きした手持ち在庫から、あまりメジャーではない製品を取り出し、さてどれにしようかと品定め。だいぶ前に手に入れながらずっと使っていなかったノブロック社の「エリサカス」弦を取り出した。


202308_Knoblock2.jpg


ノブロック社のギター弦を知ったのは数年前だったろうか。他の弦メーカー同様、素材が異なる複数の製品バリエーションがあるようだが、今回選んだのはエリサカス:Erithacus=ヨーロッパコマドリをリアルに描いたパッケージが印象的なセット。高音弦にはバイオナイロンを採用している由。バイオナイロンといえばアクイーラ社「ぺルラ」弦が知られているが、下記の印象からしても、おそらく実質同一の弦だろう。パッケージには張替え後、最低でも12時間できれば72時間おくようにと記されている。初期の伸びが安定した頃がベストな状態ということだ。その指示に従い張り替えてから三日おいて音出し確認となった。

印象的なのは高音1~3弦の音。for guitarist who need a natural,warm and round sound…とパッケージに記されている通り、基音主体の発音で太く穏やかな鳴り方だ。爪のざらつき等によるタッチノイズも目立たない。ゲージ自体は一般的なナイロン弦と同じレベルだが、乳白色の見た目もあって少し太く感じる。弾き手の感じ方、楽器との相性もあるので一概には言えないが、マイルドなその音は場合によってはボケた音という印象にもなるだろう。サステインも短めだ。ぼくの場合1、2弦はそうした特徴の良さを実感できるが、3弦に関しては少々ネガティブな印象で、特に7フレット以上のハイポジションでは音の明瞭度、サステインともに不足気味に感じる。低音4~6弦も金属的な音とは無縁で太くふっくらとした鳴り方だ。こちらはモノフィラメントの高音弦のようなネガティブな要素は感じなかった。音量感もサステインも不足はない。

高音弦に同じバイオナイロンを使ったアクイーラ社のぺルラ弦を以前、パコ・サンチャゴ・マリンにつけたことがあったが、明るく軽やかに鳴るマリンとは楽器と弦の性格が補い合って好印象だった。ぼくのアグアドも音色としてはもちろん明るく大らかなキャラクターだが、一本調子の明るさとは異なる繊細さやよりピュアな音色をもつということもあって、1~2弦はメリットを実感するものの3弦に関してはややミスマッチだと感じるのだろう。

少ない費用で音の変化を楽しめる弦交換は、ギター弾きにはちょっとしたお楽しみ。気分転換には最適だ。ノブロック社エリサカス弦はアクイーラ社ぺルラ弦と同様、高音弦のバイオナイロンが特徴的で、一般的なナイロン弦に比べて明らかな音色変化が期待できる。3弦の5フレット以上の音色、鳴り方が楽器や自身の感性にマッチすれば良い選択肢となると思う。


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逆光に中でダラダラと音の確認。駒側の弦端末が未処理ではなはだ見苦しい(スミマセン)。こういう録音で弦の個性が分かるとは思えないが、まあちょっとしたお遊びということでご容赦の程を…


もっともポピュラーな弦の一つダダリオ:プロアルテEJ45とノブロック:エリサカスの比較。但し、このエリサカスのセットは高音弦はQZナイロンという素材。上記バイオナイロンとは違う。低音弦は同じ仕様。



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六頭目の盲導犬パピー



数年前に始めた盲導犬パピー育成のボランティア。そろそろ店じまいかと思っていたが…


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今年4月末から新しいパピーを預かっている。
以前からこのブログをご覧いただいている方は覚えているかもしれないが、今回で六頭目になる。やってきたのは黒ラブ(黒毛のラブラドールレトリバー)。上の写真は我が家に来てまもなく、初めて外に出た頃のものだ。まだ体重は6キロ程度だった。生後二ヶ月のパピーを預かり、ほぼ一年間育てる。以前も書いた内容だが、この間のプロセスを以下に記しておこう(少々偉そうに書いているが、ほとんどは妻に任せきりです)。

まずは排泄のトレーニング。盲導犬として好きな時に勝手に排泄することは出来ない。人間の声掛けに促されて排泄するよう習慣付ける。次いで基本的なコマンド(sit,down,wait)の修得。盲導犬としての仕事のほとんどは待つこと。人のコマンドに対応出来るようにする。生後3カ月を過ぎた頃から外散歩。よく見かける散歩のように犬の気ままで右左、そちこちで臭い取りの道草、連れいてる人間達の犬トモ井戸端会議…という散歩はいけない。常に人(リーダー)の左横について速めのピッチで歩く。リーダーの歩く止まるに合わせるようにする。もちろん散歩に出る前に排泄は済ませる(排泄をしたら散歩に行ける!と習慣付ける)。そうすれば散歩途中で粗相することはない。

食事は決まった時間に決まった量だけ。人間の食事の際、犬に何かを与えてはいけない。人間の食事は自分とは関係ないことと認識させないと、盲導犬としてレストランに入ることも出来なくなるからだ。「うちの子はご飯になると吠えて教えてくれるのよ」と近所の奥様が言っていたが、それは単なる要求吠えだ。盲導犬として仕事をするには要求吠えがあってはいけない。小さいうちは何かと吠えたりクンクン言ったり、一緒に遊んで!ご飯頂戴!と要求するものだが、そうした犬からの吠えや声には、静かにしなさい!といった応答はしない。吠えたら黙って部屋から出て行ってしまうくらいの対応をする。そのうち吠えても無駄と知り吠えなくなる。

…と書くと随分窮屈そうに見えるだろうが、習慣性の強い犬はこうしたことをよく修得する。素人のボランティアであっても初期のトレーニングは十分可能だ。もちろん窮屈な思いばかりをさせているわけではなく、一緒にボール投げで遊ぶこともある。がしかし、過度に興奮させないということは常に念頭におく。これまで経験したパピー達も、生後半年までにほぼこうした習慣付けが出来上がり、一緒に食事に行ってもいたずらに騒ぐようなことはなかった。もっとも犬種としてラブラドールレトリバーの特性も大いにあるだろう。また、こうした習慣付けは、愛玩用として犬と暮らす場合にも有効だと思う。

さてさて、すでに預かってから数ヶ月が経ち、体重も20キロを超え成犬並みになった。残る期間は半年程。秋風が吹き始める頃には、ギターを弾くぼくの傍らで静かにダウンして待っていられるようになるだろうか…


■■■盲導犬に出会ったら…愛ある無視を!■■■
・声をかけたり、じっと前から見たり、口笛をならしたりしない。
・食べ物を見せたり、あげたりしない。
・盲導犬をなでたり、ハーネスを触ったりしない。
・自分のペットと挨拶させようと近づけたりしない。

■■■犬の十戒■■■
<1> 私の一生はだいたい10年から15年です。あなたと離れるのが一番つらいことです。どうか、私と暮らす前にそのことを覚えておいて欲しいのです。
<2>あなたが私に何を求めているのか、私がそれを理解するまで待って欲しいのです。
<3> 私を信頼して欲しい、それが私にとってあなたと共に生活できる幸せなのですから。
<4> 私を長い間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。あなたには他にやる事があって、楽しみがあって、友達もいるかもしれない。でも、私にはあなたしかいないのです。
<5> 時々話しかけて欲しい。言葉は分からなくても、あなたの声は十分私に届いています。
<6> あなたがどのように私を扱ったか、私はそれを決して忘れません。
<7> 私を殴ったり、いじめたりする前に覚えておいて欲しいのです。私は鋭い歯であなたを傷つけることができるにもかかわらず、あなたを傷つけないと決めているのです。
<8> 私が言うことを聞かないだとか、頑固だとか、怠けているからといって叱る前に、私が何かで苦しんでいないか気づいて下さい。もしかしたら、食事に問題があるかもしれないし、長い間日に照らされているかもしれない。それとも、もう体が老いて、弱ってきているのかもしれません。
<9> 私が年を取っても、私の世話はして下さい。あなたもまた同じように年を取るのですから。
<10> 最後のその時まで一緒に側にいて欲しいのです。このようなことは言わないで下さい、「もう見てはいられない。」、「居たたまれない。」などと。あなたが側にいてくれるから最後の日も安らかに逝けるのですから。忘れないで下さい、私は生涯あなたを一番愛しているのです。


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イングリッド・ヘブラーのフランス組曲



ここひと月ほど、ピアノの盤ばかりを記事に取り上げている。音盤棚の在庫確認の流れで同じ場所から芋づる式に引っ張り出しているからだろうか。きょうもその続きだが、未聴盤ではなく、一時期大いに気に入って繰り返し聴いていたこの盤を取り出した。


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今年5月に93歳で亡くなったイングリッド・ヘブラー(1929-2023)が弾くバッハのフランス組曲。1979年ヘブラー50歳のときの録音。手持ちの盤は20年近く前にタワーレコードのヴィンテージ・コレクションという企画物として廉価で発売されたときのもの。CD2枚に全6曲が収められている。

モーツァルトやシューベルトなどで高い評価を受け、多くの録音に残しているヘブラーだが、その他のバロック期からウィーン古典派に至る作品も得意とし、C.P.Eバッハ、ハイドン、ベートーヴェンなどにも優れた録音を残した。バッハのフランス組曲を取り上げたこの盤も、世のバッハ弾きと称されるピアニストの録音に伍して、素晴らしい演奏を聴かせてくれる。

モーツァルトやシューベルトでみせる穏やかで中庸な表現をこのバッハでも聴くことができる。バッハというと対位法を駆使したフーガに代表される厳格なイメージが強いが、フランス組曲はバッハの他の舞曲系組曲(パルティータ、イギリス組曲)に比しても、より旋律的で全編美しいメロディーに溢れている。その旋律を歌わせようとすると、ときとして過剰な抑揚が付き、ロマンティックに寄り過ぎる演奏になりがちだが、ヘブラーはその辺りの塩梅が絶妙だ。
テンポ、アーティキュレーション、ディナーミクといった音楽表現の要素のいずれも、何かが突出するところがない。どこまでも安心して音楽に身を任せ、穏やかで暖かな雰囲気に包まれて音楽に浸ることができる。インパクト、驚き、新境地…そういった言葉とは無縁の演奏だが、今となっては貴重なアプローチだ。


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手持ちの音盤からアップしてみた。フランス組曲第2番からアルマンド。


同フランス組曲第4番からアルマンド。


YouTubeによって自動生成されるたイングリッド・ヘブラーのチャンネルには多くの録音がアップされている。以下はフランス組曲全6曲のプレイリスト



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ゲザ・アンダ(p)ブラームス ピアノ協奏曲第2番変ホ長調



かつての記憶では、お盆を過ぎると朝晩は幾分しのぎやすくなるものだったが、今はそんな気配はどこへやら。相変わらず熱帯顔負けの日が続く中、きょうはちょいと暑気払い。涼しげな曲もいいが、ときにはガツンとショック療法。分厚い響きのこの盤を取り出した。


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ブラームスのピアノ協奏曲第2番変ロ長調。ゲザ・アンダ(1921-1976)のピアノとフェレンツ・フリッチャイ(1914-1963)の指揮するベルリンフィルによる盤。1960年5月録音。手持ちの盤は90年代終わりにフリッチャイ・エディションと称して出たシリーズ中の一枚。マルグリット・ヴェーバーが弾くラフマニノフのパガニーニ狂詩曲とのカップリング。

2曲あるブラームスのピアノ協奏曲。若い時期に書かれながら味わいとしては中々渋い第1番と比べると、第2番は渋さと甘さの塩梅よく人気が高い。もちろん後世のぼくらがブラームス的と感じる要素がすべて揃っている。とりわけこの曲は4つの楽章を持ち、ほとんどピアノ付き交響曲といえる構成と充実度だ。

ゲザ・アンダは録音当時40歳を目前にする頃で、もっとも充実していながら更に上昇するエネルギーを持っていた時期だろうか。フリッチャイ&ベルリンフィルによる雄渾で重厚な運びに合せて力強く堂々とした弾きぶり。アンダはのちの60年代後半にカラヤンとこの曲を再録している。手元にその盤がないので分からないが、ゴツゴツとした肌合いの重厚なブラームス像としたら、おそらくこのフリッチャイ盤の方が上をいくだろう。チェロの美しいテーマで始まる第3楽章のアンダンテも、終始厳しい表情を崩さない。終楽章も弾き飛ばすことなく丁寧に弾き進める。名曲にして名演也。


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この盤の音源。量感と力感を併せ持ちながらも、透明感のある音色のゲザ・アンダ。フリッチャイ&BPOの素晴らしい響き。これぞブラームス!


チェリビダッケ&ミュンヘンフィルとバレンボイムによる演奏@1991年ミュンヘンガスタイク。
チェリのオーケストラコントロールが素晴らしく、すべての音が意味深く響く。



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ヘスス・ゴンザレス・モイーノ(g)の10吋盤


創刊直後の現代ギター誌を紐解いていて思い出した盤があったので取り出した。


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ヘスス・ゴンザレス・モイーノ(1929-)の弾くギター名曲集。ゴンザレス・モイーノは60年代から70年代にかけてクラシックギターの通信教育で名をはせた東京音楽アカデミーの教材レコードでぼくら以上のオールドファンにお馴染みのギタリストだ。当時マドリッド国立音楽院に留学していた小原安正との交流から日本への紹介が始まり1958年、64年、70年と来日している。この盤は最初の来日(1958年=昭和33年)の際に時間を割いて録音されたもの。このときの来日では全国で27回の演奏会が開かれたようだ。当時はまだ流通していた10インチ盤LPで収録曲は以下の通り。録音はモノラル。

Side1
 ロマンス(禁じられた遊び)
 アメリアの誓い、商人の娘(カタロニア民謡・リョベート編)
 入り江のざわめき(アルベニス)
 ビート(アスピアス編)
Side2
 二つのメヌエット(ラモー)
 組曲ニ短調(ヴィセー)
 主題と変奏(ヘンデル)
 アストリアス(アルベニス)

ジャケット写真をみると楽器はフレタのようだ。50年代中庸にマドリッド国立音楽院で共にデ・ラ・マーサに師事した小原安正が書いているライナーノーツにもあるように、セゴビアの影響を曲想にも音そのものにも感じる。小原氏が現地で最初の授業を受けた際、際立って鮮やかに弾く学生に会ったという。その学生がゴンザレスだった由。以降、二人の交流は続き、ゴンザレスを日本へ紹介するにまで至った。

演奏は当時としては至極真っ当なもので、そのころスペイン系ギタリストにときどき見られた酔っ払いのような拍節感は少ない。確かにこのまま教材用のレコードになりそうな演奏だ。カタロニア民謡などは昨今聴かれる演奏より速めのテンポであっさりと弾いていて興味深い。アストリアスなども切れのいい技巧でサッと弾いていて好感が持てる。

ネットを探ってみたら2年前92歳のゴンザレスの健在ぶりを伝える記事が出てきた(ブラウザの自動翻訳でどうぞ)。
2021年7月
https://www.lanzadigital.com/provincia/jesus-gonzalez-mohino-de-pastor-de-ovejas-a-uno-de-los-mejores-guitarristas-de-su-generacion/
2021年9月
https://www.daimiel.es/es/noticias/sociedad/el-prestigioso-guitarrista-jesus-gonzalez-mohino-se-reencuentra-con-daimiel-su



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この盤の音源。前述の収録曲全8曲が聴ける。


東京音楽アカデミーの宣伝・紹介用レコード。ゴンザレスのアメリアの誓いが少しだけ聴ける。



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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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