ボエルマン 交響的変奏曲
暑い暑いといっているうちに八月も終わった。お気楽なサンデー毎日のはずだが、世の中そう甘くはない。ちょこちょこと野暮用あって日が暮れる…嗚呼。 さて、月もあらたまって…といって何も変わらず。いつも通りの音盤タイム。久々にチェロの盤を取り出した。

フランスのオルガニストにして作曲家であり夭折したレオン・ボエルマン(1862-1897)によるチェロと管弦楽のための「交響的変奏曲作品23」。例のトルトゥリエのボックスセット中の1枚。トルトゥリエの息子ヤン・パスカル・トルトゥリエがロイヤルフィルハーモニーを振って伴奏を付けている。1978年の録音。取り出したボックスセット中のこのディスク#7には、ラロとサン=サーンスの協奏曲、フォーレのエレジー、そしてボエルマンのこの曲が収録されている。

クラシック音楽全般を長年聴き親しんでいる輩でも、特定の楽器の世界に入り込むと、多くの見知らぬ名前に出会うことが多い。例えばクラシックギター弾きが当たり前のように口にする、カルカッシ、ソル、ジュリアーニ、カルリ、タレガといった名前も、他の楽器愛好家や一般のクラシック愛好家からみるとほとんど無名に近いだろう。チェロの世界でいえば、ロンベルク、デュポール、ドッツァウアー、ポッパーといった名前はベートーヴェンやブラームスと同等以上に馴染み深い。そうした作曲家は教則本や練習曲といった教育的段階でよく使われる曲の作者であることが多いのだろうが、もちろん立派なソナタや協奏曲も書いている。ぼく自身もそうした作曲家に通じるべくもなく、以前チェロ弾き相方の伴奏で参加したことのあるAPAチェロの会など同好の士の集まりなどで、そうした作曲家による作品を知ることになる。ボエルマンもそんな作曲家の一人。
交響的変奏曲は後期ロマン派の作風を持ち、三つの楽章から成る。第1楽章はモデラート・マエストーソの指定があって、劇的かつ濃厚な管弦楽に支えられながら、独奏チェロが主情的な旋律を歌う比較的短い導入部としての位置付け。第2楽章はアンダンテの指定になり、第1楽章の劇的な様相から転じて穏やかな歌が奏でられ、ヴァリエーションを繰り広げる。第3楽章はテンポが上がり、切迫するオケパートに追われるようにテクニカルなパッセージが続き、最後は第2楽章のテーマが大きく回帰されて大団円となる。
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この盤の音源。全3楽章
スコア付き音源
ボエルマンのチェロ作品としてもう一つの重要な作品。チェロソナタ作品40。この作品を広めたというアンドレ・ナヴァラによる演奏。サン=サーンスやフォーレの作品と並ぶ仏系チェロソナタとして、もっと演奏されてもよいと思われる美しい曲想だ。
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