ホロヴィッツ・オン・TV



月があらたまって令和六年如月二月。
昨年末からひと月間、ブログ更新の頻度を上げてみたが、この間のアクセス数は特に変化なし。大体アクセル者のうち十名に一人がクリックしてくれているランキング・バナーのクリック数は少しアップ。これが多いか少ないかよく分からないが、いずれにしても所詮はマイナーな分野の素人記事。まあ、そんなものだろうと観念して、以前のペースに戻すことにした。変わり映えしない記事が続く見込みですが、どうか引き続きよろしくお願い致します。 さて、二月最初のきょうは、ふと思い付きこの盤を取り出した。


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ウラディミール・ホロヴィッツ(1903-1989)が残した多くの録音中の一枚「ホロヴィッツ・オン・TV」。1968年2月1日にカーネギーホールで招待客を前にした公開録音ライヴとして有名な盤だ。その名の通りTV放映され、多くの人々がホロヴィッツの演奏姿、手先の動き、そうしたものを目の当たりにした。

1983年、まさかの来日公演が実現したものの、吉田秀和の有名な発言他、その演奏は賛否両論となり、そのリベンジからか1986年にも彼は来日した。ぼくは83年来日時の模様をテレビで観たくちだが、当時ピアノそのものやピアノ音楽に疎かった自分にも、その出来栄えはいささか難有りの記憶がある。1968年録音のこの盤ではそうした杞憂はなく、かつ選曲の良さから楽しめる一枚に仕上がっている。収録曲は以下の通り。尚、このLP盤は放送当日の音源とそれに先立つ2回の公開演奏とから編集されたもの。そのあたりの経緯等は以下に詳しい。
https://www.sonymusic.co.jp/artist/VLADIMIRHOROWITZ/info/462899

 1. ショパン/バラード第1番 ト短調 作品23
 2. ショパン/ノクターン第15番 ヘ短調 作品55-1
 3. ショパン/ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 作品44
 4. スカルラッティ/ソナタ ホ長調 L.23
 5. スカルラッティ/ソナタ ト長調 L.335
 6. シューマン/アラベスク 作品18
 7. スクリャービン/エチュード 嬰ニ短調 作品8-12
 8. シューマン/トロイメライ (「子供の情景」 作品15より)
 9. ホロヴィッツ/「カルメン」 の主題による変奏曲


ショパンは静かな語り口で始まりながら、深い郷愁のこもったフレーズと、時折みせる静と動のギアチャンジが素晴らしい。この曲バラード第1番のもっとも優れた演奏の一つだろう。スカルラッティも決して大きく構えず軽いタッチで弾いていて美しい。シューマンのアラベスクとトロイメライも憧憬に満ち楚々としたロマンティシズムにあふれる。ショパンの影響を受けて書かれたスクリャービンのエチュード嬰ニ短調では悲劇的な熱情を存分に引き出し、最後には彼自作のカルメン・ヴァリエーションで華麗な技巧を披露している。

小石忠雄氏のライナーノーツによれば、この公開録音にあたっては、ひと月前から2回の入念なリハーサルが行われ、当日招待された2700人の聴衆にはノイズを出さないように特別に配慮されたプラスティック加工用紙のプログラムが配られた。そしてステージの床鳴り防止や機材類からの雑音発生を防ぐ万全の措置が取られたと記されている。 50代の頃、十年以上に渡って演奏の第一線から姿を消したあと再び返り咲き、以降70年代半ばまで多くの録音を残した。この盤はその時期の彼をとらえた貴重な記録だ。「ピアニストは三種類しかいない。ユダヤ人かゲイか下手くそだ。」と言ったホロヴィッツ。発言の真意は諸説あるようだが、彼が下手くそでなかったことだけは明らかだ。


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この盤の音源。但しLP盤とは曲順等異なる。


音源となったTV映像。残念ながら画質・音質とも冴えない。



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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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