アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ「A Night in Tunisia」



一日曇天のはっきりしない空模様。所在なく一日終える。さて、今夜はジャズだ。音盤棚を見渡し、この盤を取り出した。


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アート・ブレイキー(ds)とリー・モーガン(tp)、 ウェイン・ショーター(ts) 、ボビー・ティモンズ(p) 、ジミー・メリット(b)からなるザ・ジャズ・メッセンジャーズによる1960年のセッション録音「A Night in Tunisia」。手持ちの盤は20年程前にブルーノートの名盤がミドルプライスでまとめてリリースされた際に手に入れたもの。収録曲は以下の通り。

1. チュニジアの夜
2. シンシアリー・ダイアナ
3. ソー・タイアード
4. ヤマ
5. 小僧のワルツ

アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズといえば、日本においてもっとも知名度と人気のあるジャズグループの一つだ。アート・ブレイキー(1919-1990)は日本人を妻としていた時期もあり、1961年の初来日以来、度々日本での公演を重ねた。ぼくも高校生だった頃、テレビの深夜番組に登場してドラムを叩いていたアート・ブレイキーの姿が記憶にある。

アルバムタイトル曲の「チュニジアの夜」はアート・ブレイキーの看板「サンダー・ボルト」と称するドラミングで始まる。激しい「雷鳴」がいつまで続くのかと思っていると、ボビー・ティモンズのピアノ導入句が繰り出され、リー・モーガン、 ウェイン・ショーターがテーマを吹く。そしてテーマが終わってソロ回しになってからも熱量衰えず、ウェイン・ショーターが奔放なフレーズを淀みなく繰り出し、圧倒される。曲の後半ではジミー・メリットのベースソロのあと再びアート・ブレイキーのドラムソロが炸裂。さらにリー・モーガンとウェイン・ショーターによる無伴奏のソロ(カデンツァ)が続いて曲を閉じる。ここまで一気呵成、息をもつかせぬ勢い。聴き終えたあと思わず溜息をついてしまった。

2曲目のウェイン・ショーター作曲「シンシアリー・ダイアナ」でも各メンバーのテクニックとインスピレーションが光る。ウェイン・ショーターが吹くモード風フレーズに、こちら側の脳内はいつものジャズとは違う場所が刺激され、なんとも言えない高揚感に心躍る。 「ヤマ(山)」と「小僧のワルツ」は共に日本贔屓だったリー・モーガンの作。「山」を模した幻想的雰囲気と、「小僧」が軽快なステップを踏むような曲想が、達者なメンバーのアンサンブルによって盛り上がる。

このアルバムは「モーニン-Moanin'」と並ぶアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの代表作。ジャズファンならずとも必聴の一枚だ。


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この盤の音源「シンシアリー・ダイアナ」


同 「小僧のワルツ」


同 タイトルチューン「チュニジアの夜」



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ムター・リサイタル2000



一週間後にはゴールデンウィークかぁ…と考えても格別のアイデアもなく、気付けば今月も下旬。週末日曜の夜。今夜はちょっと渋めのこの盤を取り出した。


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アンネ・ゾフィー・ムター(1963-)が弾く近現代の作品集。2000年5月にシュトゥットガルトで行われたライヴをそのまま収録したアルバムだ。この盤は20年程前に仕事で中国を何度か訪れた際に買い求めた。確か10元(150円程度)かそこらの値段で、パッケージをよく見ると正規商品かどうかあやしげなところがある。もっとも音は至極まとも。以下の通り近現代の作品だけが収められている。ピアノはランバート・オルキス。

 1. ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調op.94a(プロコフィエフ)
 2. 4つの夜想曲(G・クラム)
 3. 4つの小品op.7~ヴァイオリンとピアノのための(ヴェーベルン)
 4. ヴァイオリン・ソナタ ロ短調(レスピーギ)

プロコフィエフとレスピーギを除いたクラムとウェーベルンの作品は完全な前衛的な作品といっていいだろう。こうしたプログラミングの意図がライナーノーツに記されている。それによると、21世紀の将来に向けての新しい定番的なレパートリーにするべく取り組んだとある。プロコフィエフはすでにヴァイオリニストにとっては定番レパートリーだろうか。古典的ソナタの形をとった4楽章構成で、それぞれの楽章のキャラクターが明確かつ親しみやすい。クラムとウェーベルンはいわゆる現代曲そのものだが、こうしてプロコフィエフとレスピーギの間に置かれて聴いてみると違和感はない。現代曲にももちろん様々なものがあるだろうが、一つの典型としてある<夜><静寂>を描いたイメージを強く感じる。レスピーギはブラームスのソナタと言われたらそのまま信じそうな曲想。レスピーギ自身はイタリア近代というカテゴリーに入るだろうが、この作品はまったく後期ロマン派の風情だ。色濃く、美しく、深い。このアルバムそのものを4楽章構成の一つの曲と考え、4人の作曲家がそれぞれの楽章と考えたらいいのかなと、ふと思ったのだが、あながち間違いでもないだろう。

ムターの演奏はいずれも文句なしの素晴らしく。前衛作品の良否を言える耳は持たないが、プロコフィエフは意図的にやや控え目な表現で好感が持てる。楚々として美しく、穏やかに心静まる。レスピーギはやや積極的に踏み込み、濃い口の表現だが、ブラームス風のこの曲にはよく合っている。


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この盤の音源。プロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調 第1楽章。



同 レスピーギのヴァイオリン・ソナタ ロ短調 第1楽章



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ディーン・ディクソン&ヤニグロのドヴォルザーク



週末金曜日。サンデー毎日の身にあっては曜日の感覚も失せがち。いろいろ理由をつけて一週間を乗り切っている。きょうは朝から少々遠出の外出。夕方近くに帰宅した。ネクタイ、もとい、ベルトを緩めていっぷく。少し前から聴こうと思っていたこの盤と取り出した。


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70年代初頭に山ほど出回った廉価盤シリーズの一つ。ぼくの最も敬愛するチェリストの一人であるアントニオ・ヤニグロ(1918-1989)がソロを取り、ハイドンとドヴォルザークの協奏曲を弾いている。このうちドヴォルザークの伴奏を付けているのは、黒人指揮者ディーン・ディクソン指揮のウィーン国立歌劇場管弦楽団(≒ウィーンフィルハーモニー)。 ディーン・ディクソンは1915年に生まれ1976年に世を去った。1968年には来日してN響を振り、田中希代子との録音も残している。高校生の時分、ときどきFMから流れる曲の解説で彼の名前を聞いた記憶はあるが、レコードはこの一枚が手元にあるだけだ。

ドヴォルザークの協奏曲では相変わらずヤニグロが素晴らしい。手持ちの盤では録音のためか、オケの音が少々貧弱ということもあって、いささか精彩を欠く。本当のステレオ録音か少々あやしく、耳の悪いぼくなどは擬似ステレオだと言われれば、そうかなと…と思っていたら、やはりオリジナルはモノラル録音のようだ。それでも音楽の運びそのものは真っ当で、この曲のノスタルジックなところ、高揚感、聴かせどころは心得ていて過不足ない。


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クラシック音楽畑の黒人演奏家は少ない。誰かとたずねられて名前を挙げられるの数人だ。女性歌手のジェシー・ノーマン、キャスリン・バトル、ピアニストのアンドレ・ワッツ。すぐに思いつくのはこのくらい。指揮者にいたってはディーン・ディクソンしか知らない。最近でこそ米国のオーケストラであれば黒人の団員も珍しくなくなったが、他の分野に比して明らかに少ないだろう。半世紀以上前の音楽界で黒人指揮者の彼がどのような扱いを受け、取り上げられ方をしたか想像に難くない。残された少ない彼の演奏を聴いていると、見たことのないその指揮姿が何故か目に浮かんでくる。


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この盤の音源。ディーン・ディクソン指揮ウィーン国立歌劇場管とヤニグロのチェロ。ドヴォルザークのチェロ協奏曲ロ短調。録音は1953年と知られているが、1955年あるいは1958年とされている資料もある。詳しい方がいらっしゃれば教えていただきたい。



ディーン・ディクソンの姿を伝える貴重な映像。1972年の青少年向けコンサート
オーケストラの奏法、成り立ち等の解説に続き、後半でベートーヴェンの第8交響曲第2楽章、ハイドン「告別」が演奏される。



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ジョン・ウィリアムス(g)のCBS初期録音



少し前に書いたジョン・ウィリアムスのウェストミンスター録音の関して非公開コメントをいただいた。「手持ちのLP盤とブログ記事に貼られたCD音源(YouTube音源)とはピッチが違う」と記されていたのだが、その後同じ方から「…あらためて手持ち複数台のオーディオ機器で確認したところ、ピッチの違いは確認できなかった」とのコメントがあった。その方は以前からLP盤に親しんでいたが、数年前にCDがリリースされた際、それを手に入れ聴いたとき、ピッチの違いとそれに付随する違和感を感じたとのことだった。LPとCD、あるいは初出盤とリマスター盤など、同じ演奏ながらかなり違った印象をもつことはままあるようだ。私にも同様の経験がある。その違った印象が音のピッチの違いと感じる程の違和感になる、そういう事例かもしれない(もちろん実際にピッチが違う場合もあるだろう)。再生装置のコンディション、聴く側の耳のコンディション、様々な要素が関連して再生音楽が成り立つ。いろいろな不思議は無理からぬことだ。そういうことがあるのだと、あらためて承知しておこうと思う。(〇〇さん、コメントありがとうございます。参考になりました。) さて、そんなこともあって、きょうはジョンの録音が本格化したCBS時代の初期の盤を取り出した。


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70年代初頭、高校時代に買ったジョン・ウィリアムス(1941-)の盤。ジャケットはオリジナル初出時のものとは異なると思うが、内容は彼のCBSへの最初の録音(1964年)そのものだ。収録曲は以下の通り。

Side_A
J.S.バッハ/組曲第4番ホ長調 BWV1006
Side_B
アルベニス/セヴィーリヤ
タレガ/アルハンブラ宮殿の思い出
トゥリーナ/ファンダンギーリョ、ソレアレス、ラファガ
カタルーニャ民謡/アメリアの遺言
ポンセ/スケルツィーノ・メヒカーノ
ザグレラス/蜂雀

この盤はともかくよく聴いた。それこそ盤が擦り切れるほどといっていい。当時聴いていた装置もろくなものではなかったし、扱いもぞんざいだったのだろう、さすがに盤も傷みがあってあちこちでノイズが混じる。

この時期の(その後もか?)ジョンの演奏は面白みに欠けるというのが通説のようだが、当時ぼくにとってセゴビアはスペイン訛りの酔っ払いのようだったし、ブリームは色気とコブシ出し過ぎと思い、物差しで計ったようなジョンの演奏は新鮮かつ絶対的に感じられた。久々の針を下ろしてみたが、印象は昔と変わらなかった。ジョンの繰り出す音はやや硬質ながらもクリアかつ美しい音で録られていて、その正確無比な曲の運びと相まって、生真面目で誠実な印象を受ける。

A面のバッハの組曲は冒頭の<プレリュード>から粒の揃った音で淀みなく音が流れる。ゆっくりしたテンポの<ルール>では、今聴くともう少し深い呼吸がほしいところだ。当時そのあたりが面白みに欠けるという評判につながったのかもしれない。しかし今聴いてもそう思うが、根拠なく恣意的にテンポを揺らした妙な演奏が多かった当時のギター演奏にあって、こうした正確さは貴重だったし、組曲を通して聴いてみて、どの舞曲もよく考えられたアーティキュレーションで原曲のヴァイオリン版に慣れた耳にもまったく違和感なく楽しめる。 B面にはお馴染みの小品が入っている。当時ジョンの演奏でスケルツィーノ・メヒカーノや雀蜂を知った輩も多かったろう。ぼくもそのくちだ。アルベニスのセヴィーリャを聴き、何てカッコいいんだと思って楽譜を手に入れて弾こうとしたらまったく歯が立たなかった記憶がある。

60年後半ら70年代にかけて、ジョンは次々にギター名曲の録音を重ね、そのいずれもが従来のギター演奏とは一線を画す折り目正しい演奏だった。一時期ジョンの活動は方向転換もするが、その後再びクラシカルな世界に戻り、70歳を過ぎた十年程前に引退を宣言した。

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この盤の音源。BWV1006a プレリュート


同 ジーグ


同 アルベニス「セヴィーリャ」


バッハ BWV1006aプレリュード 1993年のライヴ映像。例によって!マークが出るが、YouTubeで見るとクリックすればOK



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ジャック・ルーシェ・トリオ「Play Bach」



このところ道楽部屋の整理整頓を進めているが、仕事と違って納期不問でペースはいたって緩慢。きょうもダラダラボチボチ作業。BGMにと取り出したのはこの盤だ。


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初代ジャック・ルーシェ・トリオの演奏するバッハ。60年代から70年代に一世を風びしたといっていい音楽。彼の出現以降、バッハや広くクラシックをジャズやポップスアレンジで演奏することが珍しいことではなくなった。ジャック・ルーシェ(1934-2019)はクラシックの名門パリ音楽院の学生時代からナイト・クラブやキャバレーでアルバイトとしてピアノ弾き、それがきっかけでジャズピアニストとしてのキャリアが始まった。たまたまジャズアルバムの録音セッションの合間にバッハをジャズ風にアレンジして弾いていたところ、それがディレクターの目に止まり、一連のプレイ・バッハシリーズがスタートすることになったという。

手元には例によってリサイクルショップのジャンク箱から救済してきたLP盤2種(一つは2枚組)がある。いずれも60年代初頭から半ばにかけての録音だが、いま聴いてもまったく古さを感じさせない。中でもイタリア協奏曲は抜出色の出来だ。原曲の素晴らしさもさることながら、ジャック・ルーシェのセンスの良さとテクニックが光る。主題や各主題は原曲に近い簡素な扱いで始め、徐々にスィング感を高めながらドライブしていく。ドラムやベースの後押しも加わって、バッハが今の時代に生きていたら、きっとこんな即興演奏をしたに違いないと思わせるセッションだ。


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この盤の音源。イタリア協奏曲


80年代後半の映像。ドラムとベースのメンバーが入れ替わった第二期のトリオ。


1997年日本でのライヴでアンコールとして演奏されたイタリア協奏曲第3楽章



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マズア&LGO メンデルスゾーン交響曲第4番イ長調「イタリア」



週末土曜日。昼から隣り町のマンドリン楽団の練習へゴー! 楽しく遊んで日が暮れた。終日穏やかな一日。夜になっても暖かい春の気配変わらず。音盤タイムも陽光満ちる伊太利をイメージしながら、この盤を取り出した。


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クルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(LGO)によるメンデルスゾーンの交響曲第4番イ長調「イタリア」。1971年録音。手持ちの盤は70年代終盤に廉価盤で発売されたときのもの。第5番ニ短調「宗教改革」とのカップリング。このコンビは80年代後半にこの曲を含む全交響曲を再録し、さらに90年代になってからライヴでの映像作品も残している。

久々に針を降ろしたのだが、当時この盤を買って最初に聴いたときの印象がよみがえってきた。第1楽章冒頭、そのテンポの遅さに驚いた記憶がある。おそらくその頃、FMエアチェックしたアバドあたりの演奏で聴き馴染んでいたからだろう。こうしてあらためて聴くと、そう驚くほどの遅さではないが、少なくても陽光降り注ぐ明るいイタリアのイメージからはやや遠い。そして19世紀半ばにはメンデルスゾーン自身が指揮者を務めたゆかりあるライプツィヒゲヴァントハウス管弦楽団の落ち着いた音色と、ドイツ風の曲の運びとが印象的な演奏だ。そうした特質は第2楽章や第3楽章でよく出ていて、第2楽章の歌謡風メロディーも過度にならずに歌い上げ、第3楽章も流麗なリズムにのる渋い音色が美しいし、トリオでのホルンのアンサンブルも落ち着いた音色だ。オイロディスク原盤の録音も聴き応え十分で、コントラバスの基音もしっかり入っているしノイズも少ない。70年前後のアナログ完成期の音だ。

マズアは1927年に生まれ2015年に亡くなった。この間、1970年から30年近くに渡ってゲヴァントハウスのシェフを務めた。公私共にいろいろスキャンダラスな話も伝え聞こえて来て、あまり積極的に注目する指揮者ではなかったが、この盤は落ち着いたドイツ風の伝統的なメンデルスゾーン演奏の一つの範として傾聴に値する。


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この盤の音源 第1楽章


同 第2楽章


このコンビによる交響曲全5曲(1970年代録音)の再生リスト


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アンセルメ&OSR ウェーバー作品集



降ったり晴れたり三寒四温。春を実感しつつも、日々あてもなく過ごす。週半ばの木曜日。昼をはさんでちょいと外出。三時前に帰宅して一服。ついでのアンプの灯を入れ、この盤を取り出した。


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エルネスト・アンセルメ(1883-1969)とスイスロマンド管弦楽団(OSR)による、カール・マリア・フォン・ウェーバー(1786-1826)の作品を収めた一枚。例のアンセルメ・ボックスセットの「その他欧州編」中のDisk31。収録曲は以下の通り。

「魔弾の射手」序曲/「プレチオーザ」序曲/「幽霊の支配者」序曲
「オベロン」序曲/「オイリアンテ」序曲/「アブ・ハッサン」序曲
祝典序曲/ファゴット協奏曲ヘ長調 Op.75

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ウェーバーはベートーヴェンとほぼ同時代を生きた作曲家。のちのワグナーにつながるドイツオペラの秀作を多く残したことで知られる。しかし現代ではそのオペラの上演機会は少なく、もっぱらこの盤に収められたような序曲やクラリネット協奏曲などが取り上げられる。知名度の比して演奏機会の少ない作曲家の一人ではないかと思う。実際、ぼくの手元にあるウェーバーの盤も序曲集とクラリネット協奏曲だけだ。 しかし、その序曲群が実にいい! 取り分け「オベロン序曲」は独墺系管弦楽作品の中でも最も好んで聴く曲の一つだ。ウェーバーならではのホルンを伴った序奏の開始。弦楽群が歌う美しいモチーフ。序奏が消え入るように終わろうとするときの突然のトゥッティ。そして急速な主部へ。いかにも劇的で心沸き立つ展開だ。主部は古典様式そのもののソナタ形式。明確な二つの主題と短いながらも息をもつかせぬ展開部はいつ聴いても感動する。

アンセルメとスイスロマンド管によるこの録音はいずれの曲も古典的造形と速めのテンポ設定。いつもながらの明瞭なパートバランスもあって、スッキリとした印象だ。もっとゴツゴツした肌合いを好む向きには少々軽量級かもしれないが、こうして自宅のオーディオセットで聴いている限り、ぼく自身はまったく不足感はなく、充実した響き。アンセルメのドイツ物を色眼鏡でみるのはもう止めるべきだと感じる。

この盤には当時のOSR首席バスーン奏者アンリ・エレールによるウェーバーのバスーン協奏曲も入っている。こちらも古典的な作風に加えて、初期ロマン派らしい息吹も感じる佳曲。今日バスーン(ファゴット)協奏曲というとモーツァルトかこのウェーバーの二択になるのだろうが、モーツァルトに劣らずバスーンの魅力を伝えてくれる。


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この盤の音源。アンセルメ&OSRによる「オベロン序曲」。


同「オイリアンテ」序曲


同「魔弾の射手」序曲


同 バスーン協奏曲・第1楽章。


OSRと並んでスイスを代表するオーケストラ:チューリッヒ・トーンハレでバスーン首席奏者を務めるマティアス・ラッツによるバスーン協奏曲の演奏。バックはシモン・ボリヴァル管。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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