チェロ三昧@川崎
きょう土曜日は穏やかな日和のなか、予定通り川崎へ。先日の記事に書いた日本アマチュア演奏家協会(APAエイパ)のイベントに出向いて、チェロ相方の伴奏を務めてきた。会場はJR川崎駅前のミューザ川崎。三年前の震災のときにホールの天井が落下するという大きな事故があった。もちろん現在は修復されている。イベントが行われたのは市民交流室という手頃な広さの部屋。部屋の響きも思いのほかよく、小規模な室内楽やソロには最適な会場だった。

今回はメンデルスゾーンの無言歌作品109を演奏したが、こういう小品1曲というのはとても緊張する。長い曲であれば、つまずきがあっても、立て直したり、気分を切り替えたりも出来るのだが、<5分間1本勝負>だと、ちょっとしたミスで、やっちまった!と思っているうちに曲が終わってしまう。
またそうしたミスを誘う要因として、本番であるがゆえにどうしても力が入ったり、余計なことを考えたりする。つまり純粋に練習と同じように淡々と弾くのが難しい。今回も本番前のリハーサルの方がわずかながらもリラックスして、相方のチェロもぼくの伴奏も本番よりもよかった。
それにしても集まった<APAチェロの会>面々の意欲的かつ高い志に燃えた演奏には感服。プロ・セミプロのピアノ伴奏者の方々も文句なしの実力で、京浜地区の層の厚さを感じさせる。圧倒的なボリュームのピアノのあとに、音量差で何十分の一のギター伴奏が登場して、どうなるものかと思ったが、終演後の話を聴くと、音のバランスはほとんど問題なし、日頃はピアノにかき消されてしまうチェロの細かな音もよく聴こえるし、ギターの音も美しく響いていてよかったと聞いてホッとした。
演奏の出来不出来は、まあ二の次。土曜の昼下がり、たっぷりとチェロの響きを堪能し、終演後は近くの居酒屋に場所を移して、マニアックな音楽談義に花を咲かせ、楽しい一日だった。
あっ、そうそう。リハーサルを終えてトイレに行くと、横に並んだ男性に声をかけられた。「与太さんですか?ブログの記事をみて聞きにきました。」とその男性。お名前も伺わず失礼いたしました。また何かの機会にゆっくりと。
きょう演奏された曲、ブラームス、べートーヴェン、バッハ、いずれもチェロの良さを感じる名曲だったが、中でも最も美しい曲のひとつシューマンの<アダージョとアレグロ>の音源を貼っておく。この曲は元々ホルンのために書かれたが、すっかりチェロのレパートリーとして定着している。 ピアノ(フォルテピアノ)、チェロとも19世紀仕様の楽器で、チェロにはガット弦が張られるいる由。何とも柔らかく美しい音色。チェロと弾いているフランス・スプリンゲルは、藤原真理が第2位になった1978年チャイコフスキーコンクールの第4位入賞者。
原曲のホルンによる演奏。
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