新しいCDプレイヤー



先日CDプレイヤーを新調した。入手したのはDENON製DCD-1500RE。数機種のラインナップを持つ同社コンシューマ用CDプレイヤーの下から二つ目のモデル。まあ、エントリーモデルといっていい。これまで使っていたラックスマンの往年の名機D-500に音の不満があったわけではないのだが、PC音源をUSB経由で取り出すためのDACを物色中に、いっそCDプレイヤーのDACで兼用できれば機械を増やさず済むし、フィリップス製スウィングアーム式ピックアップの最終型を搭載しているD-500とはいえ、25年間の歳月でデジタル系回路の進歩もあることだろうし…といった複数の事情から入れ替えを決めた。ひとつ上位のモデル1650REも考えたのだが、発売が1500RE(2013年8月発売)より少し前で、USB経由のDSD再生に対応していないこと、また、日頃からアレコレとオーディオの講釈を言う割には、CDプレイヤーの音質を判別できる自信がないことを素直に認めようと観念したこともあって、あえて下のモデルを選んだ。おそらく1650REは年内にもモデルチャンジするのではないかと予想している。

DENON DCD-1500RE
DSCN3231 (480x480) DCD-1500RE_in.jpg

Luxman D-500
DSCN1333 (480x480) d-500_in.jpg


外装ケース、CDトランスポートや電源トランスあたりがコスト相応のようだが、内部構造や基板構成などは整然としていて、このシリーズが十数年のロングランであることを感じさせる成熟した作りだ。また心臓部のデジタル信号処理部はほぼ上位モデルを継承している。その結果、USB・DACとして192KHz/24ビットまでのPCM、また2.8/5.6MHzのDSD再生が可能で、現時点の世間並みのスペックは満たしている。音は…前述したように、CD再生に関してはっきり指摘できるほどの変化は感じない(そもそも、そんなもんだろうと念入りな比較などしていないのだが)。操作性やレスポンスも特記すべきことはない。ノートPCにメーカーサイトからダウンロードしたドライバーを入れ、USBケーブルでCDプレイヤーに接続すると簡単に認識され、YouTube音源も随分改善された。<らじる★らじる>を起動すればNHKFMのストリーミング放送もほぼ仕様(HE・AAC・WMA形式48kbps)通りのまずまずの音で再生可能だ。また、パネル前面のUSB端子にはiPhoneが接続できる。オマケ程度と思っていたボリューム付ヘッドフォン出力はオペアンプ使用の簡単なものだろうが、インピーダンス300オームのゼンハイザーHD-800は問題なくドライブできて重宝する。


DSCN3248 (480x480)


昔から音質を決めるのはトランスジューサ部、つまり機械⇔電気のエネルギー変換部分と言われた。スピーカーやカートリッジによって音が一変するのはそのためだ。それに比して、オーディオ帯域の電気系統は素子と回路技術の進歩もあって差が極めて小さくなった。手の平に載る9800円デジタルアンプと子供の体重ほどある300万円超ハイエンドアナログアンプとが対等に勝負するようになったのだ。またカートリッジに相当するCDプレイヤーの光ピックアップ部も、後段のデジタル処理もあって優劣の差が縮まった。アンプとプレイヤー関しては、スペックや価格ランクではなく、使い勝手、デザイン、手触りといった感性ポイントで選んでほぼ間違いないと感じている。そういう意味で1500REは実用的な機械としては文句ない仕上がり。一方、感性ポイントではD-500の存在感には及ばず。25年前もモデルとはいえ当時のラックスマンフラグシップ機。明らかに格上の老兵D-500に戦力外通知を出すかどうか思案中だ。


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No title

こんにちは。

仲間がDCD-1650REから300Bシングルでソナスを聴いておりまして毎月おじゃましてます。
彼から→「そうこちらの方が新しく、DSDファイルも再生出来ます。
音も良さそう」
との事です、、彼は身体的ハンディキャップでそのぶん何かとライフスタイル、全てハイテクに凝ってますが私には難解です(笑)

ご参考に。


シェリングはデッカからのバッハのVnコンチェルト集を大切にしております。

鄭はこの頃のシェラザートあたりが旬でしたね。

Re: No title

マイスターフォークさん、こんばんは。

日進月歩のデジタル機器は、ちょっとした発売時期のずれで<下克上>になります。ただ、新たな機能を除き、音や操作感など、基本グレードが上下逆転するころはないでしょう。また、そう思わないと、中々新規購入に踏み切れませんからね(^^;
拙宅にも300B(隣国製レプリカ)のアンプがありますが、箪笥の肥やし状態が長く続いています。半世紀前の小学3年のときから真空管に親しんできたので、特別な思い入れはないのですが、もう少し歳をとって重いアンプを扱えなくなったら、シンプルな球のアンプにでもしようかと思っています。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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