セルの<ハフナー>
週半ばの木曜日。朝晩はまだまだ肌寒いが、昼間の空気はすっかり春。同時に花粉もMAXだ。オフィスの中にいる間がいいが、ちょっと油断して無防備で外に出ると一気にやられる。最近は抗アレルギー薬も進歩しているので、さっさと飲めばいいのだが、医者に行くのが面倒なのと、症状もさほどでないことから、相変わらず原始的な日々を送っている。 さて、きょうは少々遅く9時少し前に帰宅。床に就くべき時間まであまりないが、少しだけと思い、こんな盤を取り出した。


セル&クリーヴランド管によるモーツァルト交響曲集。年頭にアマゾンで少しまとめて手に入れたセルの盤の一つ。モーツァルトの交響曲第28、33、35、39~41番それと序曲が二つ。<フィガロ>と<劇場支配人>がCD2枚に収録されている。録音は1958年から1967年。DISC1を取り出して、第35番ニ長調<ハフナー>を聴くことにした。
モーツァルトの交響曲というと最初に聴くのは第40番、そして第41番。そのあとに36番以降。そんな感じだろうか。ぼくの場合も高校に入ってクラシックを聴き始めて間もない頃、最初に40番のレコードを手に入れた。そしてその盤でカップリングされていたのが第35番<ハフナー>だったことから、ぼくにとって<ハフナー>は40番についでもっとも早い時期から親しんできた曲だ。
セル&クリーヴランドの<ハフナー>はベートーヴェンやハイドン以上にハイテンション。第1楽章冒頭のトゥッティ主題から目覚ましい音で一気に立ち上がる。第2主題もあまりゆるむことなく提示される。弦も管も完璧なアンサンブル。音の一つ一つに活力があふれ、いま生まれたばかりのようなフレッシュさに満ちている。こうした特性は第1、3楽章で顕著、そして終楽章はそれに輪をかけるように圧倒的な推進力だ。
一昨年からセルの録音がまとめてリリースされているが、リマスタリングの成果は著しい。特にスピーカで聴いたときのフレッシュな高音域、全体をしっかり支える低音域、いずれも素晴らしい。他方、解像度の高いヘッドフォンで聴いていると、高音域の特にヴァイオリン群の音は滑らかさに欠け、少々ざらついていることがはっきりと分かってしまう。所々に入るプツプツといったノイズも耳につく。しかしこれは60年代初頭の、米国クラシックレーベルとしては当時格下だったEPICレーベルでの録音であることから、やむをえないと諦めるしかない。もちろん演奏そのものは、そうした録音上の僅かな不具合を補って余りある演奏だ。
この盤の音源。
ベーム&VPO。まったく別の曲のように聴こえる。
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