ヨッフムのブルックナー第5@オットーボイレン1964



今週の入ってから冬に逆戻りの寒い日が続いたが、明日からはまた気温上昇に転じる予想。週末から来週にかけて関東の桜は一気に開花そして見頃を迎える見込みだ。
さて今夜も8時半過ぎに帰宅。ひと息ついて、はや11時を回る時刻。ちょっとネットをのぞくと、きょうはオイゲン・ヨッフム(1902-1987)の命日とあった。ヨッフムかあ、とつぶやきつつ思い出し、こんな盤を取り出した。


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ブルックナーの第5番変ロ長調。ヨッフム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管による演奏。1964年、南ドイツ・バイエルン州オットーボイレンの修道院で行われた演奏会ライヴ。ヨッフムファンあるいはブルックナーファンであれば、<オットーボイレン・ライヴ>の俗称でつとに知られた名盤だ。手持ちの盤は2003年に今は無きフィリップスレーベルの廉価盤で出たときに手に入れたもの。全曲75分がCD1枚に収録されている。

ヨッフムは、70年代半ば世にブルックナーブームなるものが訪れるずっと前からブルックナーのオーソリティーだった。国際ブルックナー協会の会長もつとめ、ブルックナー交響曲全集をステレオ時代に2度完成させている。晩年の1982年と1986年の来日でもブルックナーの名演を聴かせてくれた。中でもこの5番は得意にしていたようで、確かSP時代から数種類の録音が残っていたはずだ。

取るに足らない我が音楽道楽人生ではあるが、二十歳前後の若い時代にブルックナーの交響曲に出会い、心酔したことは、今思い起こしても幸いだったと思うことの一つだ。出会わなかった人を不幸とは言わないが、音楽の楽しみのうち、確実に何パーセントかは享受せずに終わってしまうのではないかと、他人事ながら思うほどだ。中でも第5番は、9曲プラスαあるブルックナーの交響曲のうち、もっとも感動的な作品の一つだ。豊かな旋律による歌謡性に富む第4番、第7番に対して、第5番、第8番はまさにゴチック建築を思わせる構造的な大きさに圧倒される。

第5番の第1楽章は、聴こえるか聴こえないかの低弦群のピチカートで始まる。実際LP時代にこのピチカートを、十分なSN比を確保しながらしっかり聴き取れる録音は稀だった。それに続いて響き渡る全奏のコラール。初めて聴いたときは、それこそ腰が抜ける程に感動したものだ。深い叙情と悲痛な歌に満ちた第2楽章。そして何と言っても圧巻は終楽章だ。第1楽章と第2楽章の主題回顧に始まり、やがてそれが巨大な二重フーガに発展していく。コーダではコラール主題が圧倒的なスケールで鳴り響いて曲を閉じる。 ぼくにとってのこの曲のベストはケンペ&ミュンヘンフィル盤だが、このヨッフムのライヴももちろん素晴らしい。壮年期のヨッフムらしく、全編覇気に満ち、ときに大胆にテンポやディナーミクを揺らす。演奏は第2楽章の途中あたりから熱を帯び始め、ライヴの感興もあって終楽章は感動的な大団円を迎える。


最晩年1986年コンセルトヘボウとの演奏。第4楽章の終結部。この感動も、それまでの70分間の長い旅路があっての賜物だ。



やはりこの曲で名演を残したチェリビダッケ&ミュンヘンフィルのライヴ。



以前書いた記事。ヨッフム&ACGOの1986年来日公演での第7番の実況テキスト付き?!
http://guitarandmylife.blog86.fc2.com/blog-entry-684.html



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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