ローズマリー・クルーニー



四月最初の週末。桜も散り始め、花曇りという言葉も適当でないのかも知れないが、朝から日照もなく少々冷え込む。ハレの桜のあとだからか、何となく物憂い日曜日だ。昼前からアンプのスイッチを入れて、パッと明るい曲でも聴こうかと思いながらも中々定まらず。ふと目にとまったこの盤を取り出した。


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ローズマリー・クルーニー(1928-2002)のアルバム<JAZZ SINGER>。多くの白人ジャズシンガー同様、彼女もオーソドクスなジャズに加え、ポピュラー寄りの曲もこなし、映画にも出演した。しかし、その活躍ほどには日本ではあまり知られない存在でもあった。このアルバムは彼女が2002年に亡くなったあと、50年代の往時の録音からチョイスされ、追悼盤のような形でリリースされた。そして、この盤で初めて彼女を知った日本人も多かった。かく言うぼくもそのくちで、十年程にネットで知って手に入れた。映画好きの人には、俳優ジョージ・クルーニーの叔母といえばいいだろう。

アルバムジャケットを最初に見たときは、イングリッド・バーグマンかと思った。ちょっと不思議なジャケット写真だ。首を少しかしげたアングルとその表情が何とも物憂い。モノクロ写真だから分からないが、来ている服もモノトーンに見える。そんな雰囲気に惹かれたのもの、この盤を手に入れた理由の一つだ。
お馴染みのスタンダードが18曲並ぶ。バックはフルバンドあり、ストリングスあり、コンボありと多彩。歌いっぷりは極めて素直でノーマル。声質は美しく、明快な発音とも相まって、とても聴き易い。反面、際立った個性、クセ、強烈なオーラのようなものは乏しい。そんな優等生的資質と、多くのポピュラー寄りの曲やアレンジを歌ったこともあって、彼女が生粋のジャズシンガーという印象が薄いのかもしれない。しかし、この盤の<JAZZ SNGER>というタイトル、またライナーノーツの最後には、「ROSSEMARY UNDERSTOOD JAZZ AND LOVE IT」とも記されていて、彼女自身やこの盤を企画したミヒャエル・フェインシュタインが考えていた彼女の原点はジャズそのものだったということが分かる。

クラシックでもジャズ、ポップス、歌謡曲でも同じだが、強い個性、過度な感情移入を排して、楽曲を素直に表現することも重要かつ貴重なことだと思う。この盤はスタンダード名曲の素の姿を、素直かつ美しい歌唱で、有りのままに伝えてくれる。


この盤の中の1曲<メモリーズ・オブ・ユー>。本家ベニー・グッドマンのトリオをバックで歌っている。



1985年というから、60歳少し前の歌唱。ここでもベニーグッドマンの曲を3曲歌っている。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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