フランク 交響曲ニ短調



新年度だ、桜だといっていたら、四月も半ばを過ぎた。天候相変わらず雨の日が多く、気温も低め。きょう日曜日も時折り小雨のあいにくの天気だった。きのうの外出疲れもあってか、終日ダラダラと過ごし、夕方になってから気分切り替えにとこんな盤を取り出した。セザール・フランクの交響曲ニ短調。シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団の演奏。1957年録音。手持ちの盤は70年代初頭に日本ビクターから出ていたRCA系廉価盤の一枚。ぼくら世代にはお馴染みのジャケットだ。


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フランクのこの曲に初めて触れたのは学生時代の70年代半ば。FMで何度か聴き、その後ロンドンレーベルの廉価盤で出ていたフルトヴェングラーとウィーンフィルによる盤を手に入れた。当時は随分と聴いた記憶があるが、その後新しい盤を買うこともなく、またこの曲の持つ独特の暗さにあまり馴染めず、好んで聴く曲ではなくなった。このミュンシュ盤も、もう聴かないからという知人から譲り受け、その後もずっと棚の中で眠っていた。だから、この曲をきちんと通して聴くのも本当に久しぶり。このブログにも初登場だ。

フランク(1822-1890)がこの曲を書いたのは晩年66歳のとき。当時、独墺系に比べ歴史的に交響曲作品の少ないフランスにあって、ベルリオーズやサン・サーンスの成功を得て、それに続く作品を目指した。フランス人ではあるが、ドイツ語圏の影響が強いベルギー生まれであること、またオルガン曲や教会音楽を多く作ってきたことから、ドイツ系のバッハ、ベートーヴェン、ワグナーらの作品からも大きな影響を受け、循環形式の名作といわれるこの交響曲もドイツ風の響きが色濃い。初めてこの曲に親しんだ頃、その重々しい響きから、フランス人作曲家というイメージにつながらなかった記憶がある。

指揮者のミュンシュもフランス人ではあるが、当時はドイツ領だったアルザス地方に生まれ、フランス系作品のみならず、ドイツ系作品でもボストン響やパリ管と名演を残した。晩年になってもエネルギッシュな演奏スタイルは変らず、テンポも落ちなかった。この盤の演奏も、第一楽章の序奏こそ意味深長に始まるが、主部に入ると一転、速めのテンポと短いフレージングでグイグイと進む。響きのバランスは弦楽群を主体にした重厚なもので、後年のパリ管とのブラームス1番を彷彿とさせる。ハープに導かれてイングリッシュホルンが歌う第2楽章もほぼインテンポでもたれることなく進む。そしてここでも厚みのある弦楽群が音楽の重心を低めにキープする。終楽章は一転して大きな起伏を伴って表情豊かに歌う弦楽群、そして終盤ではそれまで秘めていたエネルギーを解き放つようにオケの咆哮が響き渡る。独特の暗さにあまり馴染めずなどと書いたが、こうして聴いてみるとやはり名曲。巧みに仕組まれた循環形式により、終楽章に向けて全曲が収斂する見事さは、ワグナーやブルックナーに通じるところもあり、深い感銘を受ける。 手持ちのこの古いLP盤でも強音部で少々音が混濁することを除けば、全体のバランスと響きの基調はよく再現されるが、最新のBlue-specCDによる盤など、どんな音がするのか聴いてみたいものだ。


スウェーデン南西部ヨーテボリの学生オケによる演奏。



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こんにちは。

一昨年の定期でフランクやりましたが、前プロでリストの前奏曲でしたので、どちらも冒頭で同じような響きになりがちで余計地味な印象になりました。


管はとけすぎず明るめに飛ばしました…
がホルンは(笑)

子供の頃にパリ管になってからの初来日でフランクがメインだったのでテレビで盛んに放映してましたね。

Re: タイトルなし

フランク、やはり地味になりますか…(^^;
聴いているだけも、演奏効果を上げるのは中々難しいだろなあと思います。他の曲以上に各パートが全体の響きをイメージしながら協調していく必要がありそうだし、響き自体も全体調和と個別最適の両方を勘案するのが難しそうだなあと感じます。

ミュンシュが何度か来日した60年代後半、まだ私はハナタレ小僧の中学生で、クラシックのクの字も知らない時期でした。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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